ゴールド氏は、そのベストプラクティスとして「成長における優先順位」「フレキシブルなサブスクリプション」「従量課金」の3つを挙げた。
まず、「成長における優先順位」は、B2C企業とB2B企業で大きく異なるという。B2C企業の場合、ユーザー数の増加が売上高の成長に直結するが、B2B企業の場合はユーザー数だけでなくARPA(Average Revenue per Account)もバランスよく増加させる必要がある。企業規模別に見た場合は、B2CもB2Bも大手企業の方が成長が早いという結果が出ている。「ブランドの確立によって認知度が高まり、ユーザー数が増えるという流れは、大手企業の方に有利に働く側面がある」(ゴールド氏)。
「フレキシブルなサブスクリプション」では、サブスクリプションの契約内容を変更できる柔軟性が重要になる。サブスクリプションの変更範囲を広く設定し、ユーザー側で必要に合わせて変更を行えるようにすれば、変更範囲が狭くユーザーも基本的に変更しない企業と比べて、年平均成長率に3倍もの開きが出る。ARPAの成長も期待でき、解約(チャーン)率も低く抑えられるという。
「従量課金」については、「単位当たり課金モデル」「超過量課金モデル」「ボリューム課金モデル」「ティア課金モデル」「超過量課金付きティア課金モデル」「マルチ属性課金モデル」という6つの課金モデルを紹介。その上で、従量課金の価格設定は、総収益の25%以下に抑えられるように行うのがベストと結論付けた。ゴールド氏は「基本料金に当たるリカーリングレベニューをケーキとすれば、従量課金はケーキの飾りだ。適度にすべきだ」と述べる。
実際に年平均成長率で見ても、従量課金を行いつつもその割合を25%以下に抑えている企業が最も良い数字を残している。また、従量課金は解約率を低く抑える効果がある。なお、B2Cの場合はユーザーである消費者がシンプルなプランを求めることもあり従量課金の導入は26%にとどまっているが、B2Bでは半数以上が導入している。
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