ドイツ工作機械工業会(VDW)とドイツ機械工業連盟(VDMA)は2020年4月2日(現地時間)、工作機械向け通信インタフェース「umati」の動向について、オンライン記者会見を開催。相互協力を強化し普及を促進する方針を示した。また、「umati」と「工作機械向けOPC UA コンパニオン仕様」の位置付けなどをあらためて定義した。
ドイツ工作機械工業会(VDW)とドイツ機械工業連盟(VDMA)は2020年4月2日(現地時間)、工作機械向け通信インタフェース「umati」の動向について、オンライン記者会見を開催。相互協力を強化し普及を促進する方針を示した。また、「umati」と「工作機械向けOPC UA コンパニオン仕様」の位置付けなどをあらためて定義した。
会見に立ったVDW ゼネラルマネジャー ヴィルフリード・シェーファー(Dr. Wilfried Schafer)氏は「『umati』の最新の開発動向は、ドイツのデュッセルドルフで2020年3月開催の『METAV 2020』で発表する予定だったが、“コロナ危機”でイベントそのものが1年延期となった。しかし進化する『umati』の現状を発表するのに1年を待つのはふさわしくないと考え、オンラインでの会見を行うことにした」と経緯について語った。
「umati」は、「工作機械がネットワークを介してシステムと接続しデータ交換をするための共通インタフェースとその推進コミュニティー」である(※)。OPC Foundationが推進する「OPC UA」をベースとしており、複数メーカーの工作機械の情報を一元的に取得することが可能となることが特徴だ。稼働の監視の他、将来的には製造プログラムの一斉配信などさまざまな発展性が期待されている。
(※)関連記事:工作機械の共通インタフェース「umati」とは何か?
2017年の工作機械の見本市「EMO Hannover 2017」で発表されたが、2019年9月に開催された「EMO Hannover 2019」では、10カ国から70のパートナー企業が参加し110台の機械と28のソフトウェアおよびサービスがリアルタイムで接続する様子を披露した(※)。その後、パートナー企業は増加を続け、現在は約120社のパートナー数になっているという。
(※)関連記事:EMO2019に見る「umati」最前線、工作機械110台がつながった「umati@EMO2019」企画
従来は、「umati」と「OPC UA」の位置付けが不明瞭な状況だったが、今回あらためてこれらの位置付けを明確化。「umati」は「共同マーケティング、広報活動、ユースケースのデモンストレーション、エンドカスタマー対応のフレームワークを提供する役割」と位置付ける。そして、「umati」の活動のベースとなる標準化活動は、OPC UAにおける工作機械用OPC UAコンパニオン仕様書「OPC UA Companion Specification for Machine Tools」を意味するとした。つまり、工作機械向けの接続標準はOPC Foundationで規格化を進め、これらの普及促進を「umati」で行う形となる。
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