この工作機械用OPC UAコンパニオン仕様書は、2019年にOPC Foundation内に設立されたジョイントワーキンググループにおいて、既に第2ドラフトのレビューが終わり、2020年3月には第3ドラフトが発表された。「パンデミックに関連する不確実性はあるものの、2020年秋には最終バージョンをリリースする目標は変わらない」とシェーファー氏は述べている。現在は、最終仕様書の策定に向けた「リリース候補書」の作成を行っているところだという。
OPC Foundationでは、同時に「OPC UA for Machinery specification」という機械プラントエンジニアリング部門全体を対象としたコンパニオン仕様も準備しており、これらと工作機械用OPC UAコンパニオン仕様書のスケジュールを調整している。そのため工作機械用OPC UAコンパニオン仕様書の最終版の発行は2020年秋の遅い時期になる見込みだとしている。ただ、シェーファー氏は「既にいくつかの企業がパイロットプロジェクトを推進しており、2020年後半には工作機械用OPC UAコンパニオン仕様に基づいた接続性を持つ製品が登場する見込みだ」と見通しを示している。
一方で、工場内で使用されている機械は、工作機械だけではない。さまざまな機械や設備、ロボットが混在して使用されている。これら全ての技術が、プラグアンドプレイソリューションで使えるようにすることが理想である。これらを推進するコミュニティーとして「umati」を従来の工作機械のみを対象にしたものから、機械産業全体に拡張する。そのため機械・プラントエンジニアリング業界全体を対象とするVDMAとの連携を進め、共同でOPC UAにおける標準化を進めていく考えを示す。これに伴い「umati」の略称も「universal machine tool interface」から拡大し「universal machine technology interface」とする。
VDMAが主導してきた「OPC UA for Machinery specification」も2020年後半の発行予定となっている。VDMAの副エグゼクティブディレクターのハルトムート・ローエン(Hartmut Rauen)氏は「ボトムアップアプローチを採用しさまざまなグループが基本コンパニオン仕様書を策定している。第1版は2020年後半の発行を予定する」と語っている。
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