キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は、ハイパースペクトル画像処理ソフトウェアを手掛けるドイツのLuxFluxと販売代理店契約を締結したと発表した。2019年12月上旬から同社製品の国内販売を始める。販売開始から3年後となる2022年の売上高目標は1億円。
キヤノンITソリューションズ(以下、キヤノンITS)は2019年12月9日、ハイパースペクトル画像処理ソフトウェアを手掛けるドイツのLuxFluxと販売代理店契約を締結したと発表した。同年12月上旬から同社製品の国内販売を始める。販売開始から3年後となる2022年の売上高目標は1億円。
IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)への注目が集まる中、製造業のモノづくり現場向けにカメラで撮影した画像を用いた検査技術の開発が進んでいる。ここで言う“カメラ”は、単色のモノクロ画像や、RGBの3波長を用いたカラー画像を撮影するのが一般的だ。
一方、キヤノンITSが新たに市場参入するハイパースペクトルイメージング(HSI)は、紫外領域から赤外領域にわたりRGBの3波長よりもはるかに多くの波長を用いて画像を撮影する技術である。HSIの画像データは、各波長で撮影した画像を1枚ずつ積層して立方体のようになるため「データキューブ」と呼ばれており、多くの情報を持っている。このため、モノクロやカラーのカメラでは判別できなかった異物や欠陥などを見いだすことが可能だ。
これまで、国内のHSI市場は大学や研究所での研究用途がほとんどを占めており、工場をはじめとする産業用途ではまだ利用が進んでいない。キヤノンITS エンジニアリングソリューション事業部 エンジニアリング技術第二本部 本部長の原木裕氏は「グローバルでは産業用途への適用が進むハイパースペクトルカメラの世界市場は年成長率は6%だが、国内市場はこれから産業用途での採用が進むこともあり年率20%で成長している。当社はこの成長市場に着目し、ハイパースペクトル画像処理ソフトウェアとして、競合他社にない特徴を多数持つLuxFluxの製品を販売することを決めた」と語る。
一般的に、ハイパースペクトル画像処理ソフトウェアでは、波長の透過吸収性を活用した素材の分類や定量化などを行うことが多い。例えば、地球観測、リモートセンシング、素材分類、品質管理などの用途だ。
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