ホロラボとSB C&Sは、3D CADやBIMで作成した設計データを、AR/MR向けに自動変換する製造業、建設業向け可視化ソリューション「mixpace」のiPad対応版の提供開始を発表した。
ホロラボとSB C&Sは2019年12月3日、3D CADやBIMで作成した設計データを、AR(拡張現実)/MR(複合現実)向けに自動変換する製造業、建設業向け可視化ソリューション「mixpace(ミクスペース)」のiPad対応版の提供開始を発表した。
mixpaceは、3D CADやBIMで作成した設計データを、Web上のmixpace専用サービスにドラッグ&ドロップで直接アップロードするだけで、AR/MR対応デバイスで確認可能なモデルに自動変換してくれるソリューションだ。
AR/MRに関する専門知識がなくても、すぐに利用可能で、マイクロソフト「HoloLens」をはじめとするAR/MRデバイスで手軽に没入体験、業務利用ができる。変換可能なファイル形式は20種類(主要な3Dデータ形式を網羅)。3Dデータはマイクロソフトの「Azure」上にアップロードされ、オートデスクのWebAPI「Forge」を用いてAR/MR向けに変換、チューニングされる。
「これまで3D CADやBIMのデータをAR/MRで利用しようとした場合、専門スキルを持った人が複数のツールを使い分けながら、書き出し、軽量化、ポリゴン化、アプリ化などを進める必要があり、トータルで数週間を要していた。外注する場合にも期間とコストの問題がありハードルが高かった。mixpaceであればこうした従来作業の手間から解放され、手元のファイルをドラッグ&ドロップするだけで、AR/MRを利用できてしまう」と、SB C&S AR/VR/MRソリューション担当 プロジェクトマネージャーの遠藤文昭氏は述べる。
製造業、建設業ではフロントローディングによる品質の早期作り込みがより一層求められており、紙の図面やディスプレイ越しに3Dデータを確認するだけでは得られない気付きや問題点の把握を行うために、AR/MRを活用しようとする動きが盛り上がりを見せている。実際、mixpaceの利用も「具体的な数は非公表」(遠藤氏)としながらも、同年2月の提供開始以来、製造業、建設業を中心に導入数を順調に伸ばしてきたという。
だが、mixpaceがサポートするHoloLensのようなヘッドセット型のAR/MRデバイスは、ハンズフリー操作が可能で製造業や建設業の現場に適している半面、「デバイスを頭に装着する必要がある」「ハードウェアが高価」といった手軽さに欠ける部分がある。そのため、AR/MRの活用に関心はあるが導入に踏み込めない企業も少なからず存在する。また、B2Bの世界におけるAR/MR自体の認知がコンシューマー領域ほど進んでいないこともあり、より手軽に利用できる環境が必要だと考えたという。そこで目を付けたのがiPadだ。
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