ストラタシス・ジャパンは「人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」に出展し、使用済みPA12パウダーを同社製3Dプリンタ「Stratasys H350」で再利用可能にするソリューション「SAF ReLife PA12」を訴求していた。
ストラタシス・ジャパンは、「人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」(会期:2025年5月21〜23日/会場:パシフィコ横浜)において、使用済みPA12パウダー(樹脂粉末)を同社の量産用途向け粉末床溶融結合(PBF)方式3Dプリンタ「Stratasys H350」(以下、H350)で再利用可能にするソリューション「SAF ReLife PA12」を訴求していた。
粉末焼結積層造形(SLS)方式3DプリンタなどでPA12を使用している場合、造形後に余った使用済み材料はこれまで廃棄されることがほとんどで、コストと環境の双方で課題があった。
SAF ReLife PA12は、使用済みPA12をH350で効率的に再利用できるソリューションで、部品単価の低減、材料使用効率の向上、造形ごとのCO2排出量削減に寄与する。品質面では、専用の造形モードを用いることで工業グレードの品質を実現可能としている。同ソリューションは、同社の造形用ソフトウェア「GrabCAD Print Pro」に対応したH350用アドオンとして提供される(別途契約が必要)。
「従来であればかなりの量のPA12を、コストをかけて廃棄せざるを得なかったが、H350とSAF ReLife PA12の組み合わせにより、使用済みPA12の再利用が可能となった。これにより、材料コストの削減だけでなく、サステナブルな3Dプリンタ運用の実現に貢献できる。他の装置などでPA12を使用している現場に対し、有効な課題解決手段として提案したい」(説明員)
SAF ReLife PA12では、最適化された3つの造形モード(Aesthetic/Balanced/Strong)によって、工業グレードの品質および性能を担保する。使用済みPA12を再利用した造形物の品質や性能については、同社の英国拠点で検証が進められており、「非常に良好な結果が得られている」(説明員)という。また、欧州の一部企業でも先行して性能評価が行われているとのことだ。
H350は、PBF方式を採用した量産ニーズ対応の3Dプリンタで、同社独自の「SAF(Selective Absorption Fusion)テクノロジー」を搭載することで、高い費用対効果と高品質な機能性パーツの製造を可能にしている。最大造形サイズは315×208×293mmで、積層ピッチは100μm。装置本体のサイズは1900×940×1730mmで、重量は825kgだ。
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