Raspberry Pi 4 Model Bのメインメモリ4GBモデルについてベンチマークテストを行った。ベンチマーク環境は以下の通り。なお、ストレージにはUHS-I スピードクラス3に対応したmicroSDカードを用いた。
ボード | Raspberry Pi 4 Model B Rev 1.2 |
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OS | Raspbian 10(2019-09-26-raspbian-buster) |
カーネル | 4.19.75-v7l+(armv7l) |
コンパイラ | GCC 8.3.0 |
Unix系OSのベンチマークソフト「UnixBench v5.1.3」を1並列および4並列(物理コアの個数分)実行した結果は以下となった。参考として、過去記事(「Raspberry Pi 3」の実力をベンチマークで検証する)で紹介されているRaspberry Pi 3 Model Bの数値も併記しているが、利用したストレージやOS、カーネル、コンパイラなどが異なることに注意されたい。
整数演算の性能を示す「Dhrystone 2 using register variables」や、浮動小数点演算の性能を示す「Double-Precision Whetstone」、現在のプロセスイメージを新たなプロセスに置き換えるexecl()のシステムコール処理を繰り返す「Execl Throughput」は、Raspberry Pi 4 Model Bが同3 Model Bを大きく引き離した。総合スコアを示す「System Benchmarks Index Score」においても、着実な性能改善がなされたことが分かる。
一方で、1秒あたりのパイプ処理スループットを示す「Pipe Throughput」や、プロセスIDを戻すgetpid()のシステムコールを繰り返す「System Call Overhead」では、Raspberry Pi 4 Model Bが同3 Model Bに対して劣る結果となった。
また、放熱のために3×3cmサイズのアルミニウム製ヒートシンクをSoCに張り付けてベンチマークを実行した。ベンチマーク実行中、Raspberry Piの動作状況を取得するコマンド「vcgencmd」で取得したCPU温度は最大で77℃を示し、ヒートシンク自体も1秒と触っていられないほど熱くなっていた。実際にRaspberry Pi 4 Model Bを運用する場合は必ずヒートシンクを付け、高負荷処理が継続するユースケースでは強制空冷を行うべきだろう。
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