NECは、東京都内で開催したユーザーイベント「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2019」(2019年11月7〜8日)において、スマート工場における5G活用の価値を訴求した。
NECは、東京都内で開催したユーザーイベント「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2019」(2019年11月7〜8日)において、スマート工場における5G活用の価値を訴求した。
5Gは、最大10Gbpsの高速通信、1ms以下の低遅延、1km2当たり100万台の多数同時接続など、従来の4Gにない特徴を備えている。日本では2019年9月からプレサービスが開始され2020年春から商用サービスが開始される予定となっている。産業領域では、通信キャリア以外の事業者が、独自の基地局を設置して5Gを活用する「ローカル5G」への期待が高まっており、特に工場向けの用途では大きな関心を集めているところだ(※)。
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NECでは工場向けローカル5Gに向け、「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2019」会場に、共創型体験スペース「NEC DX Factory」のスマート工場デモラインを持ち込み「5Gを工場でどう活用するのか」について以下の4つのポイントで訴求した。
1つ目の「ロボットの遠隔操作、遠隔ティーチング」については、同社のデモライン「NEC DX Factory」において、ロボットを遠隔ティーチングする様子を示した。デモでは、ロボットの動きとワークをカメラで撮影し、それをスマートグラスにより遠隔地の作業員が監視。実際のロボットの動きを見ながら設定を行うというものである。
NEC ものづくりソリューション本部 兼 サプライチェーン統括本部 技術主幹の北野芳直氏は「5Gが普及すればさまざまな場所で映像や音声などの非構造化データを活用できるようになる。映像を使ったロボットの遠隔監視や遠隔ティーチングなども現実的なものになるだろう」と語っている。
今回の展示会場では実際に5Gの電波を流すことはできなかったというが「2019年初には、NEC玉川事業場の体験スペースにおいて5Gの実証実験を開始する予定だ」(北野氏)としており、その価値や課題などを洗い出す方針である。
その他、5GでのAGV操作や、生産ラインの配線レス化などについても検証を進めていくとしている。また将来的には「制御機器の一部をクラウドに置き、遠隔操作するようなことも可能になる。他のユースケースよりは後になると思うが、可能性を探っていく」(北野氏)としている。
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