オリンパスは、内視鏡外科手術に関する熟練医師の暗黙知をAI解析によってデータ化し、安全で均質な手術に必要な情報を適切に提供する「情報支援内視鏡外科手術システム」を開発する。
オリンパスは2019年10月25日、外科手術のデジタルトランスフォーメーション「情報支援内視鏡外科手術システム」を開発すると発表した。内視鏡外科手術に関する熟練医師の暗黙知をAI(人工知能)解析によりデータ化し、安全で均質な手術に必要な情報を適切に提供する。
開発は、国立がん研究センター東病院、大分大学医学部、福岡工業大学情報工学部、東京大学大学院工学系研究科と協業して行う。外科手術の均質化、安全性の担保、手術室運営の効率化を提供するシステムを開発し、2024年度以降の実用化を目指す。
本システムは3つの役割を担う。1つ目は、情報支援内視鏡外科手術プラットフォームによる判断支援だ。さまざまな種類の手術や医療チームのために作られた情報支援ソフトウェアライブラリを追加し、それぞれの手術における術者への情報提示や医療チームを支援する。
各手術の進行状況に応じて、AIなどにより最適化された解剖、脈管、腫瘍位置、ランドマーク、出血などのリスク要因を表示し、手術中の重要な情報を医療チームで共有できる。
2つ目は、自律制御内視鏡システムによる視野操作支援だ。情報支援内視鏡外科手術プラットフォームで推定した各手術の進行状況や術野画像の状況に合わせ、AIなどを活用して内視鏡を自律的に制御し、外科医が手術を進めやすい視野を確保する。
3つ目は、自動制御処置具システムによる処置具操作支援だ。情報支援内視鏡外科手術プラットフォームで推定した各手術の進行状況や生体組織の種類、状態などの情報とともに、手術における処置の手段やアクセス方法に関する情報を収集および蓄積。処置具が対象の組織に与える力加減やエネルギーの出力などをAIなどにより最適化する。
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