それでは、ル・ヴォードライユ工場での具体的な取り組みと成果について見てみよう。
ル・ヴォードライユ工場では、現場のさまざまな領域にエッジコンピューティング端末を含むゲートウェイ端末が設置されており、ここで一時的なデータ処理を行いながら、データを上位システムに上げたり、現場側にフィードバックしたりしている。得られたデータは現場で表示されているディスプレイにそれぞれが求める形で表示し、現場での改善活動に利用する。製造現場内で新たに設置されたエッジコンピューティング端末は8台だという。
こうしたエッジコンピューティングを利用した予知保全に取り組んでいるのがモーターコントローラー「TeSys」の自動組み立てラインである。樹脂パーツにいくつかの部品を差し込み、巻き線を行い、それを筐体に収めるという一連の流れを自動化しているという製造ラインがある。
ただ、そこで使われている製造装置は20年以上使われているもので、巻き線工程のスピンドル部分で問題がよく発生しており、それを解決したいというニーズがあった。実際に予期せぬダウンタイムの8割にこの巻き線工程のスピンドル部分が関与していたという。
そこで、巻き線工程に全て温度センサーを設置し、巻き線の温度を監視。温度が異常に上昇した場合、そこで不具合が発生するために、温度の変化をリアルタイムに監視することで、不具合の予兆を察知できるようになったとする。温度センサーのデータは、エッジコンピューティング端末に集め、分析や学習などは上位のシステムで行うという仕組みを取っている。この仕組みにより、故障の2時間前には予知ができるようになり、これらの情報は設備担当者の持つスマートデバイスなどにも発信し、担当者が常に製造ラインに常駐しなくても作業が行えるようになったという。さらにメンテナンス工数なども7%削減することができたとしている。
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