粗悪な交換部品がクルマに使われないようにする、ICでセキュア認証車載半導体

Maxim Integrated Products(マキシム)は2019年10月31日(現地時間)、セキュア認証用車載ICの新製品「DS28C40」を発表した。

» 2019年11月01日 08時30分 公開
[齊藤由希MONOist]

 Maxim Integrated Products(マキシム)は2019年10月31日(現地時間)、セキュア認証用車載ICの新製品「DS28C40」を発表した。すでに評価キットが利用可能だ。先進運転支援システム(ADAS)に使用するセンサーや、電気自動車のバッテリーなど信頼性が求められる部品を交換する場面で、部品が純正品かどうかを識別できるICだ。性能や安全性、車両のデータの完全性を損なう不正部品が使われるのを防ぐ。

 組み込みセキュリティのハードウェアベースのソリューションである「DeepCover」の認証用ICであるDS28C40は、AEC-Q100規格のグレード1を満たす。また、新製品は対称鍵セキュアハッシュアルゴリズム「SHA-256」をサポートしている。ECDSAやSHA-256の鍵を安全に保管し、デジタル証明書と製造データ保存用のワンタイムプログラマブル不揮発性メモリや、ソフトウェア方式よりも強力なハードウェアベースのセキュリティを内蔵している。

 鍵認証アルゴリズムを内蔵したICを提供するため、自動車メーカーやサプライヤーはデバイスレベルの独自のコード開発を省略することができる。新製品はマイクロコントローラを使った認証を代替する。複雑なファームウェアやソフトウェアの設計や、関連するコード開発作業の負担を低減する。外形寸法が4×3mmの小型TDFNパッケージで、動作温度範囲は-40~+125℃。消費電力の低さも特徴としており最大で60mW、待機中は1.8mWに抑えられている。

 自動車に搭載される電子機器の増加に伴い、車両の安全性や性能を損なう可能性のある低品質で自動車メーカーの認定を受けていない交換用部品の脅威が増大しているという。認定されていない部品の使用を防ぐセキュリティ技術の重要度が高まっているとしている。DS28C40を使うことで、周辺監視用のカメラを認定されていない製品に交換した場合に不正なカメラが使われていることを検知してメーターなどで警告することができる。

DS28C40を使って純正部品かどうかを識別する様子(クリックして拡大) 出典:マキシム

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