セルをベースとするロボットシステムを活用することで、製品設計のために作成した3D CADデータから、ロボットを用いた自動組み立てラインの構成を自動で生成することも可能だ。まず、3D CADデータから部品の干渉を考慮した組み立て順序を自動的に立案し、その組み立て順序に最適なセルベースのロボットシステムによるライン構成を生成する。その後、そのライン構成におけるロボットの軌道が自動生成されるという流れだ。この自動ラインビルディング技術は、日立グループ内の工場で評価中である。
さらに、組み立てラインの構成を「増やす」「つなぐ」「替える」などする際に、これらのセルが自律的に協調制御する技術も開発している。澤田氏は「例えば、AGVによる製品仕分け先のコンベヤーを『増やす』場合であれば、コンベヤーを追加設置し、コンベヤーとAGVに指示を送るだけで、自律的に最適な仕分けをお粉用に協調制御してくれる。従来であれば、再びティーチングやプログラミングを行わなければならなかった」と強調する。
これらの他、パラレルリンクロボットの高速仕分けに用いている深層学習アルゴリズムの技術は、1分当たり約120回の仕分けを行えるという高速性能だけでなく、その深層学習のプロセスも大きな特徴になっている。安価な3Dセンサーを用いて仕分け対象の3D形状を登録し、シミュレーター上でその3D形状の多様な見え方(向き、色、重なり)を学習することにより、画像データベースの深層学習で最も労力が伴うデータ準備の付加を大幅に低減できる。「この仕分けに用いている認識エンジンの一部機能については、一部の顧客に評価してもらっている。2020年春に発売できれば」(澤田氏)としている。
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