売上高1兆円を目指す日立のインダストリーセクター、強みは「一体運営」にあり製造マネジメントニュース(1/4 ページ)

日立製作所の「Hitachi IR Day 2019」において、同社 執行役副社長 インダストリー事業統括本部長の青木優和氏が登壇。2019〜2021年度の中期経営計画を推進する5つのセクターの1つである、インダストリーセクターの事業戦略について説明した。

» 2019年06月10日 10時00分 公開
[朴尚洙MONOist]
日立製作所の青木優和氏 日立製作所の青木優和氏

 日立製作所は2019年6月4日、東京都内で同社の事業方針を投資家向けに説明する「Hitachi IR Day 2019」を開催。同社 執行役副社長 インダストリー事業統括本部長の青木優和氏が登壇し、2019〜2021年度の中期経営計画を推進する5つのセクターの1つである、インダストリーセクターの事業戦略について説明した。

 インダストリーセクターは、産業・流通BU(ビジネスユニット)、水・環境BU、日立産機システムと日立インダストリアルプロダクツから成るインダストリアルプロダクツ事業によって構成されている。2018年度の売上高は8436億円で、産業・流通BUが中核のデジタルソリューション事業が30%、水・環境BUが展開するユーティリティソリューション事業が20%、日立産機システムが手掛ける量産プロダクト事業が32%、日立インダストリアルプロダクツが扱う非量産プロダクト事業が18%という構成になっている。

インダストリーセクターの事業概要 インダストリーセクターの事業概要(クリックで拡大) 出典:日立製作所

 2016〜2018年度の中期経営計画では、空気圧縮機大手のサルエアー(Sullair)の買収をはじめ北米の事業基盤を強化し、IoTプラットフォーム「Lumada」を核にした国内製造業との顧客協創推進、プロダクト事業の強化による成長施策、海外EPC(設計、調達、建設)などの不採算事業からの撤退をはじめとする事業構造改革により業績を向上してきた。売上高は2016年度の7888億円から2018年度に8436億円、調整後営業利益率も2.1%から6.9%に伸びている。

インダストリーセクターにおける2016〜2018年度の中期経営計画の実績 インダストリーセクターにおける2016〜2018年度の中期経営計画の実績(クリックで拡大) 出典:日立製作所

 青木氏が、2016〜2018年度の中期経営計画における最も重要な施策として訴えたのが「セクター一体運営による改革」だ。日立製作所全体として、セクター制の導入は2019年度からになるが、インダストリーセクターはこれを前倒しで進めており、既に成果を出しているという。2018年度までに各BUや子会社の事業領域を明確化して、シームレスなソリューションの提供に向けた組織再編を実施しており、2019年4月には各事業領域をつなぐ組織としてインダストリー事業統括本部を新設している。「2018年度まではBU間による“連携”を重視していたが、よりユナイトでソリッドな組織であることが顧客に響くと考えている。だからこそ、連携ではなく“一体運営”と言っている」(青木氏)。

インダストリーセクターの一体運営に向けた準備 インダストリーセクターの一体運営に向けた準備(クリックで拡大) 出典:日立製作所
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