「オフグリッド型コネクテッド住宅」は2030年の新たなスマートホームになるかCEATEC 2019(3/3 ページ)

» 2019年10月17日 08時00分 公開
[朴尚洙MONOist]
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WOTA、ベルデザイン、ピーエス工業、オリジンワイヤレスの技術を採用

 CEATEC 2019の展示会場で披露したOUTPOSTのコンセプトを体感できる実物大の住宅には、スタートアップを中心とするパートナー企業の高度な技術が組み込まれている。

 OUTPOSTで展示した住宅には、水栓やシャワー、トイレなど水廻りの設備が付いている。これらで使用する水は、フィルターにより水を再生、浄化するWOTAのシステムを用いている。シャワーで使用済みの水であれば99%の浄化が可能だ。フィルターを適宜交換すれば、水のオフグリッドが可能になる。ただし、トイレで使用した水についてはフィルターでの浄化は難しいため「トイレを専門に扱っている企業の協力を得たい」(堀内氏)という。

シャワー水タンクとWOTAのシステム OUTPOSTで展示した住宅にはシャワーがあり(左)、WOTAのシステムで浄化して再利用する。住宅の右側下部にあるのが、水タンクとWOTAのシステムになる(右)(クリックで拡大)

 OUTPOSTでの電力供給には、ベルデザインが提供するワイヤレス給電技術が用いられている。可動型のテーブル上には、出力50Wのワイヤレス給電ポイントが設置されており、これを使ってデスクライトを点灯させたり、お湯を沸かしたりなどできる。「この展示で電源コンセントは一切ない。電力供給については太陽光や風力など、設置場所に合わせて発電技術を利用していくコトになるだろう」(田子氏)。

デスクライトを点灯させたり、お湯を沸かしたり可動型テーブル上のワイヤレス給電ポイント OUTPOSTの電力供給はワイヤレス給電で行う。デスクライトを点灯させたり、お湯を沸かしたりできる(左)。可動型テーブル上のワイヤレス給電ポイント(右)(クリックで拡大)

 空調システムは、ピーエス工業が提供するブラインドカーテンのようなラジエータを持つ冷暖房システムを用いている。ラジエータの中に水を循環させることで、空間全体を放射と自然対流によって、自然な温度変化と、安定した涼しさ/暖かさを実現できる。

ピーエス工業の冷暖房システム ピーエス工業の冷暖房システム。ブラインドカーテンのような外観なので、部屋の仕切りとしても利用できる(クリックで拡大)

 生体情報の計測では、オリジンワイヤレス(Origin Wireless)の技術を用いている。人がいることによって起こるWi-Fiの電波の変化を基に、在室や不在などの管理、居室内での動作や呼吸などのヘルスデータの検知が可能になるという。

オリジンワイヤレスのシステムで計測した生体情報を基にしたリラックス度 オリジンワイヤレスのシステムで計測した生体情報を基にしたリラックス度(クリックで拡大)

 これらの水、電力、空調、生体情報のデータは、Pelion IoT Platformで管理されており、AI(人工知能)技術なども活用して最適な制御を行えるようにしている。

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