ミスミグループ本社は「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、千葉県・幕張メッセ)に出展し、3Dデータのみで機械加工品の調達が行えるサービス「meviy(メヴィー)」を訴求。会期初日(同年10月15日)に記者説明会を開催し、meviyの新たな展開について発表した。
ミスミグループ本社は「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、千葉県・幕張メッセ)に出展し、3Dデータのみで機械加工品の調達が行えるサービス「meviy(メヴィー)」を訴求。会期初日(同年10月15日)に記者説明会を開催し、meviyの新たな展開について発表した。
meviyの進化の方向性として、同社は「機能向上」「納期短縮」「商品拡大」の3つを挙げる。これらは全て“顧客の声”に基づいたもので、各種機能の追加や速度の改善、各種CAD対応といった機能面の強化、さらなる納期短縮の追求(例:板金部品の出荷を3日から1日に短縮)、加工サイズの拡大や表面処理および材質の追加といった対応力の向上に継続して取り組んでいるという。
こうした継続的な進化とともに、今回meviyの商品および事業領域のさらなる拡大につながる4つの新たな取り組みについて明かされた。
まず、設備・装置設計向けのFAメカニカル部品を対象とするFA切削サービスにおいて、樹脂素材(MCナイロン、POM)の取り扱いを開始する。樹脂素材は金属素材と比較して軽量性、柔軟性、防錆性、滑り性が高いことから、幅広い業界の機械装置でニーズがあるという。しかし、樹脂加工を行う企業数は限られており、近年の人手不足も重なり、需要に供給が追い付かない、供給が不安定であるといった課題が存在している。これに対し、同社は確実短納期による供給をmeviyで実現し、同年11月1日から正式に樹脂素材の取り扱いをスタートさせる。取り扱い樹脂素材については、順次拡大する計画だとする。
さらに、従来の製造業に加え、医療、食品、化粧品、建設、住宅といった他業種への進出を図り、事業領域を拡大する方針を掲げる。「これまでミスミの顧客は自動車、半導体といった組み立て系製造業が中心であったが、meviyの提供を開始して以来、他業種からも強い関心が寄せられていた」と同社 3D2M企業体 企業体社長の吉田光伸氏は語る。
続いて、アライアンスの強化にも取り組む。これまでmeviyで提供する開発・製品設計向けのラピッドプロトタイピングサービスは、プロトラブズと提携することで実現してきたが、今後、この提携モデルをさらに拡大し、多くのパートナー企業と連携を図っていくという。吉田氏は「このアライアンス強化により、meviyをモノづくりプラットフォームとしてさらに進化させていきたい考えだ。新たなパートナー企業(アライアンス先)に関しては今後公表できればと思う」と述べる。
そして、最後に掲げるのが海外展開だ。2020年度、北米を皮切りに欧州、中国、アジアへと展開する計画で、まずはFAメカニカル部品を主軸に北米でのサービス展開を図るとする。
また、今回のCEATEC 2019において、meviyは「CEATEC AWARD 2019」のスマートX部門のグランプリを受賞している。
吉田氏は「meviyが提供するものは何か。一言でいうと『時間価値』である。従来、部品調達を行う際、2次元図面の作図、見積もり待ち、製造(納品待ち)と多大な時間を要してきたが、meviyによってこうしたプロセスにかかっていた時間を圧倒的に短縮できる。浮いた時間をぜひクリエイティブな作業に当ててほしい。われわれのミッションはお客さま、そしてお客さまのお客さまを笑顔にすることだ」と、meviyの提供価値と同社のミッションについて説明した。
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