プラズマクリーナーについても「プロセスコントロールシステム」により、「故障、予兆管理」を実現する計画だ。プラズマの放電異常による製品不良や、故障による稼働率の低下を低減し、品質の安定化や稼働率の向上などを実現する。
パナソニックでは、パッケージした半導体などをプリント基板に実装する実装機では世界で高シェアを握っている。この領域では今回の協業のようなAPCを独自で展開する他、データの利活用においてシーメンスと協業を行っているが、これらを踏まえてIBMと協業を行った意味について、パナソニック スマートファクトリーソリューションズ 回路形成プロセス事業担当 プロダクトマーケティング2課課長の野々村勝氏は「プラズマダイサーの技術は前工程に含まれるドライエッチング装置の技術を応用したものであり、前工程から派生したといえる。日本IBMでは多くの前工程の半導体製造におけるプロセスコントロールの知見があることから、早く完成形を作り出せるということに価値を見いだした」と語っている。
ただ、日本IBMとの協業領域については「実装では独自のAPCなどを展開し現在の取り組みを進めていく。将来的に実装まで含めたプロセスの統合をERPなどのより上位で行う可能性はある」と青田氏は語っている。
協業により新たに装置の販売やメンテナンスに加えて、データの分析や活用などを組み合わせることになり、ビジネスモデルが変わる可能性もあるが「ビジネスモデルは開発の進捗を見ながら決めていきたい。可能であれば、売り切りではなく長期にわたるリカーリング型を取りたい」(樋口氏)としている。
ターゲット企業は「既に半導体のパッケージ製造工程を持つユーザー」(青田氏)とし、その中でもパッケージングの品質要求の高いところを狙うとしている。基本的には顧客企業にはパナソニックがアプローチする形となる。今後の目標については「(現状の売上高は明かせないが)2030年には関連売上高250億円を目指す」と青田氏は述べている。
IoTデバイスに最適なプラズマダイシング、パナソニックが実証センターを開設
プラズマダイシングの前工程装置、パナソニックと東京精密が共同開発
半導体露光機で日系メーカーはなぜASMLに敗れたのか
ナノスケールのちりの影響を抑制、半導体製造装置が目指すIoT活用
72台の装置を半日で稼働、日本発「ミニマルファブ」が変える革新型モノづくり
躍進する東芝パワー半導体、生産能力向上のカギは増床とIoT活用Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Factory Automationの記事ランキング
コーナーリンク