ArchiTekは、「イノベーション・ジャパン2019 〜大学見本市&ビジネスマッチング〜」(2019年8月29〜30日、東京ビッグサイト)において、同社が開発するエッジデバイス向けAI(人工知能)プロセッサの技術紹介を行った。競合のエッジAIチップと比較して電力性能やコスト面で優位性があると訴える。
ArchiTekは、「イノベーション・ジャパン2019 〜大学見本市&ビジネスマッチング〜」(2019年8月29〜30日、東京ビッグサイト)において、同社が開発するエッジデバイス向けAI(人工知能)プロセッサの技術紹介を行った。競合のエッジAIチップと比較して電力性能やコスト面で優位性があると訴える。【訂正あり】(2019年9月18日17時00分)
ArchiTekは大阪市に本社を置き、独自アーキテクチャ「aIPE(ArchTek Intelligence Pixel Engine)」の開発を進めるベンチャー企業。代表取締役CTO(最高技術責任者)の高田周一氏をはじめとして、エンジニア陣はテレビやゲーム機のLSI開発経験がある大手電機メーカー出身者や半導体ベンチャー経験者で固める。
同社は2018年6月、経済産業省のスタートアップ支援プログラム「J-Startup」に選定された。同年10月にはNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)委託事業として、ソシオネクストと豊田自動織機とともに「進化型・低消費電⼒AIエッジ LSIの研究開発」を共同研究している。
aIPEは画像処理とニューラルネットワークの推論に特化したアーキテクチャだ。低レイテンシなハードウェアスケジューラー、基本処理に特化した小さなハードウェアプリミティブを集積したチップ構成、そして内蔵SRAMを活用した高性能メモリシステムを特徴とする。特に、組み込みソフトウェアの開発で課題となるスケジューリングをハードウェア化したことで、複数の画像処理命令をパラメーターとフローで簡潔に記述でき、高速な並列処理を容易に実現するという。
ArchiTekが開発するエッジAIチップは、小規模かつ柔軟な回路構成がメリットだ。DRAMインタフェースを搭載しないチップも製品ラインアップの1つとして検討されており、内部SRAMのみでMNIST(手書き数字画像データセット)認識程度の小さなニューラルネットワークの動作が可能だという。また、ArmやRISC-VのISA(命令セットアーキテクチャ)を採用するCPUと組み合わせ、SoC(System on Chip)化することも考えられるとした。
同社はaIPEをベースとするサンプルチップを2019年度中に生産する予定だ。また、2020年度に生産を予定するサンプルチップでは、さらに微細なプロセスを採用するとともにAI機能を充実させ、より高い電力性能を目指す。「純国産アーキテクチャであるaIPEをエッジAIチップのデファクトとすることが目標」(同社担当者)としている。
【訂正】ArchiTek株式会社の申し入れにより、初出時から表現を変更しました。
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