日本マイクロソフトはMaaS(Mobility-as-a-Service)に熱い視線を注いでいる。Microsoft Azureは自動運転やコネクテッドサービス領域でシェアを固めつつあるが、MaaSにおいても自動車メーカーやモビリティサービス事業者などとの関係の深化を狙う。
日本マイクロソフトはMaaS(Mobility-as-a-Service)に熱い視線を注いでいる。Microsoft Azureは自動運転やコネクテッドサービス領域でシェアを固めつつあるが、MaaSにおいても自動車メーカーやモビリティサービス事業者などとの関係の深化を狙う。
同社は2020年度の経営方針として、「顧客の業種業態に最適な支援の推進」「モダナイゼーションの加速(ITインフラの最新化)」「クラウド&AI(人工知能)人材の育成」に注力すると発表。「顧客の業種業態に最適な支援の推進」については、各業種に最適なビジネス変革の支援を行う「リファレンスアーキテクチャ」を展開する。
これまでも流通業界に対してリファレンスアーキテクチャを提供していたが、「非常に好評だった」(同社社長の平野拓也氏)。これを受け、自動車、製造&資源、運輸&サービスなどの各業種にもリファレンスアーキテクチャの提供範囲を広げる。顧客のビジネスをより深く理解するため、業種に特化した社内体制の強化も推進する。平野氏は、顧客や社員、製品、業務をデータとAIでつなぎ、分析、改善する「デジタルフィードバックループ」が提供できる、唯一の企業がMicrosoftであると自信を見せる。
また、平野氏は「顧客のビジネスを見ると、デジタルフィードバックループは業種間に見られることも多い。特に、MaaSに代表されるように交通、流通、金融など、さまざまな業態が複合してビジネスモデルを構築している」と指摘した上で、2020年度の同社は「MaaSに注力してクロスインダストリーのソリューションを推進したい」と述べた。
「モダナイゼーションの加速(ITインフラの最新化)」については、経済産業省などが警鐘を鳴らす「2025年の崖」を乗り越えるために、ミッションクリティカルシステムのクラウド移行やサポート終了製品のアップデートを促す。平野氏は「2025年の崖」によって日本経済は年間12兆円の損失を受けるとの試算を紹介し、「そういった課題に対して、われわれは何とか貢献できることがあると考える。昨今、SAPのサポート終了が課題とされているが、われわれも旧製品のWindows Serverなどサポート終了が迫っているものもある。ITインフラのモダナイゼーションをパートナーとともに取り組む」とした。
「クラウド&AI人材の育成」については、同社内に人材育成を指揮するChief Learning Officer職を新設したことや、顧客とパートナーのデジタルスキル育成のためにトレーニングプログラムを拡充したことを紹介した。
Microsoftは2019年度にグローバル市場で世界最大のクラウドベンダーになったという。Azureは2019年度第4四半期に前年同期比64%の成長を果たした。日本市場ではAmazon Web Services(AWS)に次ぐ第2位のシェアを獲得したとみられるが、2020年度に首位を獲得する目標を立てている。
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