ルンバの仕事が終わったら自動で拭き掃除開始、ブラーバジェットの旗艦モデル登場ロボット開発ニュース

アイロボットジャパンは2019年7月23日、東京都内で記者会見を開き、床拭きロボットのフラグシップモデル「ブラーバジェットm6」を発表した。

» 2019年07月24日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]
床拭きロボットのフラグシップモデル「ブラーバジェットm6」(クリックして拡大)

 アイロボットジャパンは2019年7月23日、東京都内で記者会見を開き、床拭きロボットのフラグシップモデル「ブラーバジェットm6」を発表した。同月26日に価格6万9880円(税別)で発売する。

 ロボット掃除機「ルンバ」のフラグシップモデルと同等の処理性能によって家の間取りを学習し、部屋ごとの拭き掃除が可能になった他、スマートフォンアプリからブラーバジェットm6が立ち入らないエリアを設定できるようになった。また、ルンバが掃除機をかけた後にブラーバジェットm6が自動で起動し、拭き掃除まで完結させる連携機能も搭載した。

 今回発表したのは、ブラーバジェットシリーズで3機種目のモデルとなる。従来モデルにない機能としては、Wi-Fi対応やルンバと掃除で連携する「Imprintリンク」、スマースピーカー対応、バッテリー残量が少なくなった時に自動で充電し、充電後に床拭きを再開する機能だ。従来モデルは1回の充電で掃除可能な面積が15畳、20畳だったのに対し、今回は最大60畳まで対応した。

 ルンバのフラグシップモデルであるルンバi7シリーズには、9880MIPS(Million Instruction Per Second)の処理能力を持つマイコンと、1000万行以上のプログラムが搭載されており、ブラーバジェットm6にも同じものが採用された。また、ブラーバジェットm6はシリーズで初めて本体にカメラを搭載。こうした進化により掃除しながら10フロア(10階)分の間取り図を作成し、自己位置を把握しながら最適な経路で短時間かつ効率的に動くことが可能になる。なお、ルンバとブラーバは本体サイズに差があり、進入可能な範囲が異なるため、作成した間取り図は共有しない。

ブラーバジェットシリーズでは初めてカメラを搭載(左)。作成した間取り図に沿って効率よく拭き掃除(右)(クリックして拡大)

 学習した間取りに「キッチン」「リビング」とユーザーが名前をつけて管理することもできるため、曜日や時間で掃除スケジュールを設定したり、特定の部屋だけを清掃したりすることも可能だ。ルンバi7シリーズにも搭載されていない新機能も採用された。部屋の種類を識別する機能を生かし、スマートフォンアプリ「iRobot HOME」から、進入禁止エリアを設定できるようにした。この機能は無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)によって、ルンバi7シリーズでも近々利用できる。

 ルンバの掃除後にブラーバが自動で拭き掃除を行うImprintリンクは、Wi-Fi対応によって実現した。スマートフォンアプリのiRobot HOMEにルンバとブラーバの両方を登録すると「後で拭き掃除」というコマンドが使えるようになる。このコマンドを使うと、ルンバが掃除を終えたという情報がクラウドに上がった後、ブラーバに対して起動し、掃除するよう指示が下される。ブラーバジェットm6の発売当初はルンバi7シリーズとのみ連携するが、2019年内にルンバ900シリーズとも連携し、掃除機かけから拭き掃除まで自動で完結するようになる。

水を入れるタンク(左)。さまざまなシートを装着でき、シートの種類ごとに取り付け部の穴の形状がそれぞれ異なっている(中央)。本体底面から照射したLEDの反射によって取り付け部の穴の形状を把握し、モードを切り替える(右)(クリックして拡大)

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