IDC Japanが、国内インダストリアル/3Dプリンタ市場の2018年支出額実績を発表。2018年の同市場全体の支出額は918億1900万円だった。また、同市場の2023年の支出額を1040億5700万円と予測している。
IDC Japanは2019年6月27日、国内インダストリアル/3Dプリンタ市場の2018年支出額実績と、2023年までの予測を発表した。
2018年の同市場全体の支出額は、前年比2.1%減となる918億1900万円だった。支出額の内訳は、インダストリアルプリンタのうち、プロダクションプリンタの支出額が同6.5%減の519億3200万円、ラージフォーマットプリンタ支出額は同8.8%減の233億9000万円だった。3Dプリンタ支出額は前年比30.3%増の164億9700万円だった。
同社では、同市場の2018年〜2023年の年間平均成長率(CAGR)を2.5%とし、2023年の支出額を1040億5700万円と予測する。
プロダクションプリンタの支出額は、インダストリアルプリンタ、3Dプリンタ支出額の半分以上を占めている。主にプロダクションプリンタを使用する本や雑誌、パンフレット、チラシといった商業印刷市場でのデジタル化の進展、また同プリンタの機能向上などを理由に、今後、緩やかに増加するとみられる。同社では、プロダクションプリンタについて、2018年〜2023年のCAGRが2.0%、2023年の支出額を574億2400万円と予測する。
ラージフォーマットプリンタ市場については、減少が続くと予測。その理由として、ラージフォーマットプリンタの主な用途である図面やポスター、サイングラフィックスなどの市場が成熟したことによる、需要低下を挙げている。このことから、ラージフォーマットプリンタの2013年の支出額予測を、219億3100万円(同CAGR−1.3%)としている。
3Dプリンタは、2014年のブーム後に落ち込んだが、そこから市場が回復しつつあること、今後も製造現場での利用が広がり堅調に推移すると見られ、3Dプリンタの2013年支出額を247億200万円(同CAGR8.4%)と予測している。
同社によると、プロダクションプリンタ市場は、アナログ印刷からデジタル印刷への移行が進んでいるが、一部の業務をデジタルに置き換えるだけでは根本的な業務効率化にはつながらず、プリンティング産業全体の構造改革が必要な時期に来ているという。なお、3Dプリンタ市場は、新たな製造技術として3Dプリンティングへの理解が深まることで、製造プロセスに変革がもたらされることが期待されるとしている。
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