ウェアラブルデバイスによるIoT体調管理サービスについては、既にさまざまな企業からリリースされているが「Smartfit for work」の強みについて、藤尾氏は「繊維関連企業として、作業を邪魔せずに着用しやすいウェアラブルデバイスであるという点がまずポイントとなる。加えて、他社では暑さ指数をベースにしたものが大半だが、Smartfit for workでは、作業のリスクと熱のリスクを組み合わせて、本来的な意味での体調を対象としている点がある」と述べている。
もちろん、これらの取り組みはクラボウ1社で実現できるものではない。「繊維の技術などはもともと保有しているが、これらとセンシング技術の組み合わせや用途への適用、ITの領域などについてはパートナーとのオープンイノベーションにより進めている」と藤尾氏は語る。
研究パートナーには、導電性繊維の開発を進めていた信州大学をはじめとし、大阪大学、同志社大学、早稲田大学などが参加し、共同研究を進める。開発パートナーとしては、セックや日本気象協会、ユニオンツール、KDDIなどが参加しており、実際のシステムとしての開発を進めている。その他、販売パートナーとして沖縄セルラーなどと協業している。「1社では実現できないことも非常に多く、実現したい機能などに合わせて協業を広げていきたい」(藤尾氏)。
今後の取り組みについては「とにかく当面の目標は利用用途を広げること」と藤尾氏は強調する。「現在でも導入は進んでいるが、トライアルを目的としたものが多い。この実証フェーズを早く乗り越え、本格導入を広げていくことを目指す」と藤尾氏は述べている。
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