池上通信機とNHKエンジニアリングシステムは、アスペクト比を1:1とするスクエアイメージング技術と、有効対角長8.8mmの小型センサーを搭載した医療用8K解像度カメラ「MKC-820NP」を共同開発した。
池上通信機とNHKエンジニアリングシステムは2019年5月16日、アスペクト比を1:1とするスクエアイメージング技術と、有効対角長8.8mmの小型センサーを搭載した医療用8K解像度カメラ「MKC-820NP」を共同開発したと発表した。
従来の8K内視鏡カメラ画像はアスペクト比16:9で横長だったため、画像に占める黒の領域が多く、無駄が発生していた。MKC-820NPでは、アスペクト比1:1の正方形にすることでカメラヘッドを小型化。内視鏡の画像品質を維持しつつ、不要な黒の領域を抑えた。
また、カメラコントロールユニットからhalf & halfの信号が直接出力され、1台の8Kモニターに全体像と拡大像を2画面(half & half)表示できる。
これまでは狭い手術室内に2台のモニターを並べて設置し、一方に8Kの全体像を、他方に8Kから切り出した4K拡大像を表示していた。MKC-820NPは2画面表示できるため、手術室に大型モニターを1台設置するだけで内視鏡システムを構築できる。
スクエアイメージングは、円形の視野を持つ光学機器全般との親和性が高く、内視鏡や顕微鏡などの医療用途のみならず、望遠鏡、360度撮影カメラなど多様な用途への利用を見込む。MKC-820NPも、これらの用途で8K映像が得られる小型カメラとしても利用可能だ。
質量は従来品の3分の1以下となる210gで、寸法は34×40×99.5mm、イメージエリアの有効寸法は6.2×6.2mm、対角は8.8mmだ。レンズマウントはCマウントで、有効画素数は3840×3840、解像度は3600TV本。感度は2000lx、F5.6となる。カメラスタンドに半固定の状態で操作でき、手持ちでも運用が可能だ。
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