Splunk Services Japanでシニアセールスエンジニアの上村徹也氏は、マシンから出力される生データ(非構造化データ)を直接分析できる「Splunk」によって、生産品質の向上を目指した海外事例を紹介した。
同製品の主な利用事例はIT運用やセキュリティだが、同社のスキーマオンザフライ技術によるユニークな分析機能はIoTの分野にも応用できるとする。上村氏は「産業系では、大量のセンサーデータ可視化という取り組みの中で、Splunkが使われる事例が増えてきている」と紹介。
製造業でのユースケースとしては、スマート工場では製造装置のセンサーデータの可視化、分析を行い、予兆保全を実現するという結果を出している。また、今までつながりのなかったデータ同士の相関を図り生産性、品質向上への気づきを実現した。IoT関連でも(製品)データの可視化を行い、それにより新サービス、新製品開発などにつながった等の実績があるとする。
セゾン情報システムズでHULFT事業部 事業開発部IoT事業開発グループ長を務める川田容志氏は、「90日で成果を出す! 製造現場IoT 品質向上の最初の一歩と『その先』とは?」をテーマに講演を行った。同社はクレジットカード事業を展開するクレディセゾンの情報システム子会社で、金融機関などで利用されているファイル転送ミドルウェア「HULFT」が有名だ。
IoTビジネスは、日本電産が持つIoTに関する知見とセゾン情報システムズのデータをつなぐ経験を組み合わせて開発した、IoT分析サービス「Simple Analytics」を提供中だ。同サービスは「できることと、できないことをしっかり分けて提供しており、テーマを絞って特に品質改善、生産性向上に伴うコスト低減に集中している」(川田氏)ことが特徴となる。
川田氏は、IoTの導入ポイントとして「着眼大局、着手小局」(領域を定めて小さく始める)ことを推奨する。また、「PDCAサイクルのうちプランに時間をかけるとプロジェクトが進みにくいので、まず実行していくことを提案している」(川田氏)とする。トライ&エラーを柔軟に繰り返して、結果が出なかったものにこだわらず次の新しいテーマに取り組むことの重要性を強調した。
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