「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像

いすゞと日野が開発した国産初のハイブリッド連節バス、そのモノづくり力(前編)エコカー技術(4/4 ページ)

» 2019年05月28日 09時30分 公開
[三島一孝MONOist]
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ITS機能などもデモ

 今回の新製品には搭載されていないが、ITS(Intelligent Transport System)技術を採用したデモなども披露した。その1つが「プラットフォーム正着制御」技術である。これは車両とプラットフォーム間のギャップを最小限に抑え、車いすやベビーカーなどの円滑な乗り降りができるようにする運転支援技術である。道路に経路と減速ポイントを示す専用誘導線を敷設し、車両に搭載したカメラで誘導線を認識し、操舵や減速制御を行う。

photo プラットフォーム正着制御技術の概要(クリックで拡大)出典:いすゞ自動車、日野自動車

 バス停とバスの中扉までの距離は45mm±15mmの精度で制御が可能。前後停止位置は±500mmの精度で実現が可能だという。誘導エリアに入れば運転手が操舵や減速を行う必要はない。ただ、基本的には誘導線に沿って運行するだけという仕組みであるため、駐車車両があったり、飛び出してくる人があったりすれば、運転手が自らの判断で避けなければならない。あくまでも運転支援の位置付けの技術である。

photo プラットフォーム正着制御技術で停車した様子。プラットフォームとバスの隙間がほとんどない(クリックで拡大)

 また、デモでは、誘導線と日光の当たるエリアが重複している時間帯は、うまく誘導線が認識できずに正着制御はできなかった。「今回連節バスにEDSSは採用したが、正着制御については搭載は先のことになる。まずは連節バスではなく、単車のバスでの採用の方が早いと考えている。運転手にとって難しい環境での停車はストレスだといわれている。これらを少しでも解消したい」(鈴木氏)としている。

いすゞ自動車と日野自動車が共同開発したプラットフォーム生着制御技術のデモ。誘導線を認識してプラットフォームに自動で停車する(クリックで動画再生)

 その他、ITS技術としては、協調型車間距離維持支援システム(Cooperative Adaptive Cruise Control)、衝突警報、路車間通信、車々間通信、視覚支援カメラシステムなどの技術開発を進め、バスへの導入を検討していることなどを明らかにしている。

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