「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像

いすゞと日野が開発した国産初のハイブリッド連節バス、そのモノづくり力(前編)エコカー技術(3/4 ページ)

» 2019年05月28日 09時30分 公開
[三島一孝MONOist]

運転の安全性をさまざまな技術で確保

 連節化により、長くなる車体に対し、1人で安全の確保を行わなくてはならなくなるため、各種ミラーに加えて、カメラとモニターも用意。左右の側方確認カメラとともに、後方用のカメラ、後車室用のカメラ、後扉乗客確認用のカメラなどを用意。運転席のモニターで切り替えながら確認することが可能となっている。

photophoto 運転席左側に設置された側方用と後方用のモニター。後方用モニターは用途によって見たい映像を切り替えられる(左)運転席右側に設置された側方用のモニター(右)(クリックで拡大)
photophoto 赤丸部が後車室用のカメラ(左)左右側面に付けられている側方部のカメラ(右)(クリックで拡大)

 また、観光バスなどでは既に採用が進んでいるドライバー異常時対応システム(Emergency Driving Stop System、EDSS)も路線バスでは初めて搭載。ドライバーが体調不良などを起こした際に自ら押す「非常ブレーキスイッチ」の他、ドライバーの様子を見て、乗客が押すことができるスイッチが客室内に用意されている。

photophoto 運転席右に用意された「非常ブレーキスイッチ」(左)と、運転席後ろの客室側に設置された「非常ブレーキスイッチ」(右)(クリックで拡大)

 これらのスイッチを押した場合、3.2秒間の緩やかな減速が行われた後、停止制動がかかり、車両を停止する。停止制動がかかると同時に車内では赤色のフラッシャーランプと音声アナウンスが行われ、乗客の安全を確保する。一方で車外にもストップランプとホーンによる告知を行う。

 「路線バスには立つ乗客がいるので、観光バスのように急に停止させるわけにはいかない。立ち客にとっても安全に停車させるという点がポイントだ」と山口氏は述べている。

いすゞ自動車と日野自動車が共同開発した連接ハイブリッドバスのドライバー異常時対応システムのデモ(クリックで動画再生)

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