国土交通省は2019年5月9日、プラグインハイブリッドシステムを搭載した大型車向けに燃費や排ガス性能の評価装置を開発したと発表した。モーターやインバーター、バッテリーなど電装部品をモデル化したHILS(Hardware In the Loop Simulator)とエンジンの実機を組み合わせる。開発の成果は「人とくるまのテクノロジー展 2019 横浜」(2019年5月22〜24日、パシフィコ横浜)に出展する。
国土交通省は2019年5月9日、プラグインハイブリッドシステムを搭載した大型車向けに燃費や排ガス性能の評価装置を開発したと発表した。モーターやインバーター、バッテリーなど電装部品をモデル化したHILS(Hardware In the Loop Simulator)とエンジンの実機を組み合わせる。開発の成果は「人とくるまのテクノロジー展 2019 横浜」(2019年5月22〜24日、パシフィコ横浜)に出展する。
プラグインハイブリッド大型車向けの評価装置は、「次世代大型車開発・実用化促進プロジェクト」の第4期(2015〜2018年)における取り組みの一環で開発した。第1〜3期までは商用車での電動化技術の採用に取り組んでおり、電動商用車の認証に当たって燃費や排ガス性能を正確に評価する手法を整備することが第4期での目標の1つとなった。
開発したプラグインハイブリッド大型車の環境性能評価は、ハイブリッド大型車向けの評価手法を拡張する形で実現した。ハイブリッド大型車向けでは既に、エンジンやモーター、バッテリーなどがHILS上でモデル化して扱われている。これに対し、プラグインハイブリッド大型車はモーターのみでの走行が可能で、エンジンが冷機状態から使われ始めるため、冷却水などの温度変化を考慮してエンジンをモデル化することが困難だった。
これを踏まえ、開発した評価手法ではHILSに組み合わせるエンジンは実機を採用する。ハイブリッド大型車向けのHILSと実機のエンジンをリアルタイムに制御する装置「拡張HILS」を新たに構築し、試験室内でプラグインハイブリッド大型車が走行する状態を再現できるようにした。HILS内の車両モデルを介して実機のエンジンを制御することでエンジンの冷却水などの温度情報を変化させ、机上で実車と同様の制御が行えるという。
商用車は、架装物やエンジン、トランスミッション、車軸の配列、タイヤの仕様などの組み合わせが多種多様なため、車両ごとに試作して評価を行うことが難しい。そのためシミュレーション上でモデル化し、評価することの重要性が高まっている。
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