IoTを活用した次世代製造モデルでアマダと日立が協業、効率的な製造現場を構築FAニュース

アマダホールディングスは、日立製作所との協創により、IoTを活用した次世代製造モデルである「組み立てナビゲーションシステム」と「生産日程計画自動立案システム」を、国内の主要拠点に構築する。

» 2019年05月13日 07時00分 公開
[MONOist]

 アマダホールディングスは2019年4月10日、日立製作所との協創により、IoT(モノのインターネット)を活用した次世代製造モデルを、国内の主要拠点に構築すると発表した。

 アマダグループは、IoTを活用することで製造現場の生産性を向上しつつ、人手不足の解消や働き方改革など労働環境の変化に柔軟に対応できるよう、製造現場の変革を進める。日立製作所は、IoTをはじめ先進的なデジタル技術を活用したソリューション「Lumada(ルマーダ)」を提供し、顧客の課題解決に貢献する。

 協創の第1弾として、両社はアマダの富士宮事業所にLumadaの音声解析と画像解析技術を用いたハンズフリーの「組み立てナビゲーションシステム」を構築し、同年2月から稼働を開始した。大型部材の複雑な組み立て工程でも、個々の作業者のスキルを問わず、誰でも安全に同じ品質で組み立て作業ができる。

また、第2弾として、2020年度からアマダの富士宮、土岐事業所で「生産日程計画自動立案システム」を稼働させる。アマダの板金加工機械は変種変量生産で、生産日程計画に常に変更が発生するため、熟練者が多大な労力と時間を費やして策定していた。同システムは、製品仕様や納期、工場の生産能力などを分析して最適な生産日程を自動で立案でき、従来の約5分の1の工数で日程立案が可能になると見込まれる。

 アマダグループは、これらのシステムの導入や次世代製造モデルにより、誰もが働きやすい効率的なモノづくり現場を構築し、両事業所内の人材の多様化比率を3倍、生産性を30%向上させることを目指す。さらには、今回の次世代製造モデルのシステムを、2021年度までに同社グループの国内外の拠点に展開することも計画している。

photo アマダ富士宮事業所のシステム構想図(クリックで拡大) 出典:アマダホールディングス
photo アマダ富士宮事業所の「組み立てナビゲーションシステム」 出典:アマダホールディングス

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