また新技術として注目なのが、双腕協働ロボットを新たに2機種用意した点である。ヒト型とスカラ型の2機種の参考出展を予定する。
ヒト型双腕協働ロボットは、片腕7軸×2と腰軸の2軸で、合計16軸を持つ。アームと腰軸の屈曲旋回の同期制御を実現しており、高い自由度と精度を実現し、省スペースでの作業などが可能となる。可搬重量は片手6kg、両手で10kgを実現する。人に近い作業領域と可搬性能を実現している点が特徴である。
スカラ型双腕協働ロボットは、双腕に旋回腰軸を加えたもの。ワークを持った腕の姿勢を変えずに腰軸で姿勢を変えられるため、複数トレイへのアクセスなどを教示の基準を変えずに行うことなどが可能となる。可搬重量は片手6kg、両手で10kgを実現。配線や配管をアームに内蔵しシンプルな構造を実現している。両モデルとも規制や規格などの審査などにより発売時期は未定としているが「できれば1年以内には発売したい」(西沢氏)としている。
スカラロボットでは基本性能を向上させた新型機「THE600」「TS5000」も参考出展する。「THE600」は、第1、第2関節の最大動作速度を従来機比で27%高速化し、8017mm/secを実現。2kgの搬送時でサイクルタイム0.3秒を可能とする。最大可搬質量を10kgから12kgに増やし、高速動作と可搬性能の両立を実現している。「TS5000」はサーボ性能の向上により、制御周期を従来機比3倍に拡大し、同期制御追従精度が向上した。またCPUとイーサネット性能を強化し、内部データを高速に外部出力するなどIoT化に対応している。
TRAFAM(技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構)による共同研究が2019年3月で一段落した金属3Dプリンタについても、試作機「ZK-T2010」を紹介する。同製品は最大直径2000×高さ1000mmの大型造形が可能な金属3Dプリンタである。現在の主流であるパウダーベッド方式ではなく、金属粉末を噴射しレーザーで溶かすDED(Directed Energy Deposition)方式を採用しており、航空機エンジンケースなど大型部品への造形で差別化を進めていく方針である。
金属3Dプリンタには、専業メーカーの他、工作機械メーカーなども参入しており競合企業が多い状況だが「当社の強みは大型の造形でありそこで違いを訴えていく。国家プロジェクトでの共同研究を終え、いよいよ実用化フェーズに入った。顧客のニーズを把握しながら提案を進めていく」(西沢氏)としている。
その他、超大型電動式射出成形機「EC1300SX III」やターニングセンタ「TMDシリーズ」の摺動面仕様機、大型ダイカストマシン用の新型射出成形システム、インライン加飾システムなどの新製品を出展予定としている。
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