名古屋大学は、測定した血糖値データのみによって30分後の血糖値を予測するAIを用いた血糖値予測システムを開発した。これにより、糖分やインスリン摂取量の手動入力を排除した血糖値の予測を可能にした。
名古屋大学は2019年4月5日、AI(人工知能)を用いた血糖値予測システムを開発したと発表した。これにより、糖分やインスリン摂取量の手動入力を排除した血糖値の予測が可能になる。同大学大学院工学研究科 准教授の新津葵一氏らの研究グループによる研究成果となる。
今回の研究では、機械学習を用い、測定した血糖値データのみによって30分後の血糖値を予測するシステムの開発に成功。予測には時系列予測に特化したニューラルネットワークを使用し、システムの稼働中学習と予測を交互に行うことによって予測性能を向上させた。
これまで糖尿病患者の血糖値制御を支援する既存製品は、インスリンや糖分の摂取量を定期的に手動入力し、これらを計測した血糖値データと組み合わせて血糖値の予測を行っていた。同システムは手動入力が不要なため、利便性が向上している。
また、同システムは、涙液から発電、血糖値のセンシングを行うコンタクトレンズへの搭載を将来的な目標として想定。これを達成すると、針を刺すことなく血糖値の測定と予測ができる一体的なシステムが完成するとしている。
糖尿病患者は自力で血糖値を抑制できず、外部からインスリンを投与して血糖値を抑制する必要がある。しかし、インスリンの過剰投与は、過渡な低血糖を招き、高血糖以上の危険がある。そのため、インスリンの過剰投与時に安全を確保するデバイスが求められていた。
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