3つ目のエッジコンピューティング機能は、IoTセンサー側で取得したデータの前処理を行うためのものだ。Deguセンサーは、IoT機器向けのオープンソースのリアルタイムOSである「Zephyr」を用いているが、その上に組み込み環境でPythonを扱えるようにする「Micro Python」を実装している。このため、IoTセンサーで取得したデータを前処理するためのプログラムをPython系言語で組むことができる。また、クラウドとなるAWSへのデータ転送には、Web系エンジニアにとってなじみ深いJSON形式を用いる。
4つ目のセキュリティ機能では、NXPジャパンが提供するセキュリティチップ「A71CH Plug & Trustセキュア・エレメント」により、Deguセンサーの個体認証と暗号化のための秘密鍵をセキュアに補完できるという。
さらに、Deguセンサー、Deguセンサーと連携するIoTゲートウェイ、AWSなどを用いて行ったPoCが一定の成果を得て次の段階に進み、完成品センサーの量産設計が必要になる場合は、そのための「Degu量産設計サービス」を提供する体制も整えている。コアスタッフが窓口となり、顧客の要望に応じてSeeedが設計開発を行うもので、初期費用は150万円からを想定。量産製造は1ロット当たり100個から受け付ける。
スターターパック発売の後、量産向けのより小型のDeguセンサーや、Degu量産設計サービスを開始し、2019年夏ごろから海外対応も進めていく。なお、Deguプロジェクトでは、関連する回路図や部品表などのハードウェア技術情報や、OSをはじめとした基本ソフトウェアやドキュメントなどの開発情報をGitHubでオープンソースとして公開する。これらを基に、Web系エンジニアを中心とするユーザーコミュニティーの構築も進めていきたい考えだ。
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