Armは、「Arm Cortex-M」シリーズ向けのMプロファイルベクトル拡張機能(MVE)「Arm Helium」テクノロジーを発表した。最新の「Armv8.1-M」アーキテクチャの演算能力を強化し、次世代のArm Cortex-Mプロセッサの機械学習性能を最大15倍向上させる。
Armは2019年2月14日、「Arm Cortex-M」シリーズ向けのMプロファイルベクトル拡張機能(MVE)「Arm Helium」テクノロジーを発表した。最新の「Armv8.1-M」アーキテクチャの演算能力を強化し、次世代のArm Cortex-MプロセッサのML(機械学習)性能を最大15倍、DSP(信号処理)性能を最大5倍向上させることができる。
Heliumは、ハードウェアベースのセキュリティ技術「TrustZone」と連携し、Platform Security Architecture(PSA)仕様に準拠したシステムを実装できる。また、単一のツールチェーンで、制御と信号処理の両方のソフトウェア開発に対応する。
Heliumを搭載したArmv8.1-Mは、効率を維持しつつ、リアルタイムの制御コードやML、DSPの実行機能を提供。インテリジェントなアプリケーションを安全に拡張し、幅広いデバイスでDSP機能を活用できる。これにより、振動と運動、音声とサウンド、視覚と画像処理という3つの分野で、新しいアプリケーションを強力にサポートする。
Heliumでは、統合ツールチェーン、ライブラリ、モデルを用意しており、ソフトウェア開発を簡素化する。ツールチェーンを構成する「Arm Development Studio」は、「Arm Keil MDK」「Arm Models」「CMSIS-DSP」「CMSIS-NN」などの各種ソフトウェア・ライブラリを網羅し、ニーズに応じて選択できる。
Helium用のツールチェーンとモデルは現在提供中。Heliumのシリコンへの搭載は、今後2年以内の実現を想定している。
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