デンソーが役員数を半減、トヨタと同じく専務と常務が消える製造マネジメントニュース

デンソーは2019年4月1日付で実施する役員体制の変更について発表。経営の意思決定と執行のスピードアップを狙い、会長、社長、副社長、取締役、専務役員および監査役などの専務役員以上を役員とし、常務役員は役員から外れる。これにより、役員数は55人からほぼ半減の28人に削減される。

» 2019年02月19日 07時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 デンソーは2019年2月18日、同年4月1日付で実施する役員体制の変更について発表した。経営の意思決定と執行のスピードアップを狙い、会長、社長、副社長、取締役、専務役員および監査役などの専務役員以上を役員とし、常務役員は役員から外れる。これにより、役員数は55人からほぼ半減の28人に削減される。

 今回の役員体制の変更では、専務役員が部門のトップとして執行をリードするとともに、経営の担い手として全社の経営課題の解決に当たる。これらの役割を明確化するために名称を「経営役員」に変更する。現在のデンソーの専務役員は11人だが、4月1日からは、副社長に昇格する臼井定広氏と退任する加藤之啓氏を除く9人に加えて、新任の6人が加わって経営役員は15人体制となる。

 一方、現在32人いる常務役員は、現場のトップとして迅速に意思決定を行うとともに、担当分野における執行責任および権限を行使していく。その役割を明確化するため、名称を「執行職」に変更する。なお、32人の常務役員の内5人が経営役員に昇格する。

100年に一度といわれる自動車業界のパラダイムシフトに対応

 デンソーは「100年に一度といわれる自動車業界のパラダイムシフト」(同社)に対応すべく、取締役数の削減や執行権限の委譲、組織変更を行い“スピード”と“現場の活力”を進化させてきた。今回の役員体制の変更は、さらなる経営のスピードアップを狙いとしている。

 同社の主要株主であるトヨタ自動車も2019年1月1日付で、これまであった専務役員と常務役員、常務理事などの役職を廃して、専務役員を「執行役員」、常務役員、常務理事、基幹職1級・2級、技範級を「幹部職」とし、会社組織の階層数を削減する役員体制の変更と組織改正を行っている。この施策も「経営のスピードアップ」と「人材育成の強化」をさらに進めることが狙いとなっている。

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