「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像

トヨタとソフトバンクがオンデマンド移動サービスの実証、まずは丸の内と豊田からモビリティサービス

ソフトバンクとトヨタ自動車の共同出資会社MONET Technologies(以下、MONET)は2019年2月18日、オンデマンドモビリティサービスの提供に向けて、日本の17の自治体と連携を開始すると発表した。

» 2019年02月19日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 ソフトバンクとトヨタ自動車の共同出資会社MONET Technologies(以下、MONET)は2019年2月18日、オンデマンドモビリティサービスの提供に向けて、日本の17の自治体と連携を開始すると発表した。

 連携する自治体のうち、横浜市、愛知県豊田市、広島県福山市では2018年度中にオンデマンドバスの実証実験を開始する。まずは、2019年2月27日から豊田市小原地区で地域住民向けに実証を行う。また、首都圏では同月26日から、三菱地所と協力してオンデマンド通勤シャトルの実証も始める。

 MONETが連携する自治体は、北海道安平町、秋田県仙北市、横浜市、神奈川県鎌倉市、石川県加賀市、長野県伊那市、岐阜市、静岡県藤枝市、名古屋市、豊田市、大津市、兵庫県川西市、広島県福山市、広島県府中市、広島県東広島市、福岡県嘉麻市、熊本県菊池市。これらの自治体はもともとモビリティサービスに関心を寄せており、MONET側との協議で連携に至った。

豊田市小原地区で走るオンデマンドバス(クリックして拡大) 出典:MONET

 実証実験が始まる豊田市小原地区は、2009年3月から地域内で定期路線を持たないオンデマンドバスを運営している。これまでは電話でのみ予約を受け付けていたが、実証実験ではMONETのプラットフォームを用いて電話だけでなくスマートフォンのアプリからも予約できるようにする。利用者の利便性を向上するとともに、オンデマンドバスの予約状況や受容に関するデータを収集する狙いがある。

 バスの車内にはタブレット端末を設置し、ドライバーが予約状況に応じた最適な運行ルートを確認できる。バスの運行管理者は、専用の画面から運行状況を確認することが可能だ。

 小原地区の実証実験にはトヨタ自動車「プリウスα」2台を使用する。乗車定員は4人。平日の午前6時〜午後7時の間で運行する。乗車料金は大人200円、小学生100円。運行形態は従来のサービスと変わらない。

オフィス街向けにはオンデマンド通勤シャトル

オンデマンド通勤シャトルの車内の様子。移動中の車内をオフィスとして利用できる(クリックして拡大) 出典:MONET

 首都圏で始めるオンデマンド通勤シャトルは、三菱地所が管理する東京都千代田区の大手町、丸の内、有楽町エリアのビルに勤務する人や保育施設の利用者を対象に実施するもので、スマートフォンのアプリで選択した場所から勤務地まで送迎する。Wi-Fiサービスや膝上テーブル、充電プラグを提供し、移動中の車内をオフィススペースとして利用できるようにしたり、子どもと快適に通勤できるようにすることで、車内空間を活用したサービスの可能性を検証する。

 1つは利用者を勤務地まで送迎するサービスだ。対象エリアである東京都武蔵野市吉祥寺、江東区豊洲、台東区上野、世田谷区等々力、港区赤坂、神奈川県川崎市から、勤務地付近まで送迎する。2019年2月26日〜3月22日までの期間で、朝は6時30分〜9時30分、夜は17時45分〜20時30分で運行する。車両はトヨタ自動車「アルファード」2台を使用する。

 もう1つは丸の内エリアにある勤務先と保育施設の間を送迎するサービスだ。運行車両のトヨタ自動車「エスクァイア」には、チャイルドシートや絵本が用意されている。両方のサービスとも、運営にはタクシー大手の日本交通が協力する。

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