情報通信研究機構は、ドローン同士の直接通信により、ニアミスを自動的に回避する実験に成功した。位置情報を共有するシステムとドローンのフライトコンピュータを連携させることで、ドローンが自動飛行制御する。
情報通信研究機構(NICT)は2019年1月24日、ドローン同士の直接通信により、ニアミスを自動的に回避する実験に成功したと発表した。位置情報を共有するシステム「ドローンマッパー」とドローンのフライトコンピュータを連携させることで、操縦者を介さずにドローンによる自動飛行制御が可能になった。
これまでドローンを目視外で運用する場合、ドローンと操縦者間で通信しながら、あらかじめプログラムされた飛行経路や飛行方法に自動的に従うか、搭載したセンサーによって操縦者が制御するなどの方法を採用してきた。しかし、他のドローンや有人航空機などの接近への対応が難しかった。
NICTでは、ドローンマッパーにより共有した位置情報に基づいて、ドローン自体が飛行制御できるシステムを試作し、2018年12月17〜18日に実証実験を実施した。埼玉県秩父市のグラウンドにて、異なる操縦者が運用する複数のドローンにドローンマッパーと飛行制御装置を搭載し、実証実験を実施。接近を検知すると、他機の飛行方向などから、自機の飛行速度や飛行方向を制御するコマンドをフライトコンピュータに出力し、そのコマンドに従って飛行する。
実証実験では、最大3機のドローンが直接通信によって、約40m程度に接近したところで自動ニアミス回避行動を取り、安全距離を保ったまま目的地まで飛行できることを確認した。
今回の実験により、目視外飛行環境におけるドローンの飛行制御と安全運用に寄与できる見通しが得られた。今後は、飛行速度、同時飛行台数を増やすとともに、ドローンと有人ヘリコプターなどとの接近検知や飛行制御を行う予定だ。
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