NECが協働ロボットのインテグレーターに、「匠」によるライン設計が違いを生む協働ロボット(2/3 ページ)

» 2019年02月04日 09時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

組み立て製造業のロボット導入の課題を解決へ

 このNEC DX Factoryの最新ソリューションに加わったのが、販売を開始するロボット導入トータルサポートパッケージである。同パッケージでは、デンソーウェーブなどの協働ロボットメーカーと連携するとともに、NECグループ内で培ったロボット導入ノウハウを生かして、「ロボット導入コンサルティング、人作業を含むライン設計」「ロボットシステムに必要な構成要素」「ロボット稼働状況管理システム」を包括的に提供する。

「ロボット導入トータルサポートパッケージ」の概要 「ロボット導入トータルサポートパッケージ」の概要(クリックで拡大) 出典:NEC

 まず「ロボット導入コンサルティング、人作業を含むライン設計」では、NECグループの開発・生産会社であるNECプラットフォームズの工場で培ったロボット導入ノウハウや人作業の改善ノウハウを生かして、ロボット適用工程の提案やライン設計支援などのコンサルティングを行う。ライン設計にあたっては、ロボット導入に最適な幅600mmサイズで設計を行う。

 次の「ロボットシステムに必要な構成要素」は、ロボットだけでなく、ハンドやセンサー、ネジ締めや樹脂塗布を行う自動機搭載ユニットなどが含まれる。安全柵が不要で人との協調作業が可能な協働ロボットを用いることにより、幅600mmサイズにこれらのさまざまな要素を取り込むことが可能になる。

 そして「ロボット稼働状況管理システム」では、ロボットや自動機のデータを収集し、ロボット稼働状況と製品の品質の見える化、分析、制御のために同社のものづくりIoT基盤である「NEC Industrial IoT Platform」を用いる。同基盤では、人の作業やモノのデータまでを統合して見える化・分析できるため、人とロボットが作業分担するなど人とロボットの高度な協働が可能で、生産ライン全体のスループットや品質の向上を実現できる。さらに、生体認証や映像解析をはじめNECが保有するAI(人工知能)を追加することも可能だ。

「ロボット導入トータルサポートパッケージ」の構成「ロボット導入トータルサポートパッケージ」の提供価値 「ロボット導入トータルサポートパッケージ」の構成(左)と提供価値(右)(クリックで拡大) 出典:NEC

 今回のパッケージ提供の背景には、組み立て製造業のロボット導入における課題を解決したいという思いがある。NEC ものづくりソリューション本部 技術主幹の北野芳直氏は「マスカスタマイゼーションへの対応や労働人口の減少などに対応するため、生産ラインの自動化やロボット活用に大きな期待が寄せられている。しかし、生産技術者をそろえる大手製造業であっても、ロボット導入のスキルや経験値は不足している。生産ラインによっては、ロボットによる自動化をすべきか難しかったり、ロボットを常設できなかったりすることもある。そして、ただロボットを導入するだけでは、その作業進捗を把握することができないことも問題だ。当社のパッケージであれば、これらの課題を解決できると考えている」と語る。

「ロボット導入のスキルや経験値が不足」「ロボット化が限定」「人手による作業実績収集」 ロボット導入における製造現場の課題。「ロボット導入のスキルや経験値が不足」(左)、「ロボット化が限定」(中央)、「人手による作業実績収集」(右)(クリックで拡大) 出典:NEC

 さらに松下氏は「これまで、NEC Industrial IoT Platformに代表されるIT、生産ラインに適用可能なNEC DX Factoryの各ソリューションなどのOT、それぞれを個別に提供してきたが、今回のパッケージはIT+OTを製造現場にまとめて提供することになる」と強調する。

「ロボット導入トータルサポートパッケージ」はNECのIT+OTを製造現場にまとめて提供する 「ロボット導入トータルサポートパッケージ」はNECのIT+OTを製造現場にまとめて提供する(クリックで拡大) 出典:NEC

 また、NECでは、同社内で生産革新を進めてきた生産技術者を「匠(たくみ)」と呼び、2012年10月から顧客の生産革新の現場に派遣しているが、「今回のパッケージでは、ライン設計や工程設計の際に匠が入ることになる。競合他社もロボット導入に向けてさまざまな提案を行っているが、こういった匠が入るところがNEC独自の取り組みになる」(同氏)としている。

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