無人販売ショーケースは、パナソニックの既存製品の冷蔵ショーケースにRFIDアンテナを取り付けたものとなる。読み取り精度を高めるにはたくさんのアンテナが必要だが、電波シミュレーションやアンテナの工夫でアンテナの最適な配置を検討した。冷蔵ショーケースは約150点の製品を収めることができる大きさで、商品をいっぱいに詰め込んでも、奥や端に置いたものも見落とすことなく認識できることを前提とした。
実際の販売に使用するため、冷蔵ショーケースに常に商品がきれいに陳列され、RFIDタグ同士が一定の距離で離れた状態になるとは限らない。「商品の陳列によっては、RFIDタグ同士が近接して読み取りにくくなることが考えられる。そういった条件でも正確に検知できることを重視した」(田川氏)。
呼び出しに応じて自律走行で電動車いすを向かわせるサービスは、電動車いすベンチャーのWHILLと三菱電機が協力して実証実験を行う。
WHILLは2019年1月の消費者向けエレクトロニクス展示会「CES」において、電動車いすの自動走行・自動停止機能と、複数の自動走行対応電動車いすを管理、運用するシステムを発表。病院や空港などの施設で、長距離の歩行が困難な高齢者や身体が不自由な人の呼び出しに応じて、電動車いすを自動走行で向かわせることで移動を支援する。電動車いすの自動走行化をMaaS(Mobility-as-a-Service、移動手段をサービスとして利用すること)の一部と位置付ける。
施設内を電動車いすが自律走行で移動するには、入退室を管理するためのセキュリティや、エレベーターと連携することが必要になる。Inspired. Labのエレベーターを管理する三菱電機と、入退室セキュリティを担当するLiquidと協力し、コンセプトが実現できるか検証する。電動車いすが出入りするフロアや、利用できるユーザーについては今後詳細を詰めていくが、時間と場所を限定して実証実験を行う。
まずはエレベーターを制御する三菱電機のサーバと、WHILLのシステムを運用するサーバを連携させ、電動車いすの呼び出しに合わせてエレベーターのドアが開き、特定の階に移動させることができるかなどの動作を確認する。
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