そして、今回のコンテスト優勝は、ボディメイクアシスタント班(山形県立産業技術短期大学校)の「ボディメイクアシスタント」です。
健康志向が高まりダイエットをする人が多い時代、体重を下げるだけでなく、キレイな体形をつくることを支援するシステムです。
システムはRasbperry Piに接続された体重計、マイク・スピーカー、カメラ、ディスプレイなどから構成されます。体重はスマートトラッカー「Fitbit」の体重計で計測し、体重や体形の写真データはAzureに蓄積されます。
そして体形は、カメラで体の前と横を撮影することで管理できるようにしています。体形の撮影はAzureの「Speech API」を使ってスタートを指示し、同じく「Face API」で本人認証を行います。
撮影した写真は「Azure Storage」に格納され、過去の体形写真と比較し変化を可視化した写真を生成し、BIツールの「Power BI」を用いて表示します。体形の変化は、写真に赤色で表示され、細くなったり太くなった箇所が分かりやすく見えます。
これまでの体重という数値データでのダイエット管理から、体形の変化を画像として表示することは、荒削りながら魅力的なサービスと感じました。近年の健康志向やフィットネスクラブ増加に対して、面白いアプローチのシステムが提案されたことになります。
デモでは、体形の変化を表現するために、胸筋付近にタオルを入れるなど工夫していたのも印象に残りました。
ここまで、今回のコンテストの入賞作品を紹介しました。優勝チームは、アイデア、実装、デモンストレーションのバランスがとれたチームでした。ビジネスモデルを含め、システムとして洗練は必要と感じますが、PoCとしては成立していると言えます。
ビジネスの現場では、ビジネスモデルをコネコネと検討を繰り返すことも重要かもしれないが、それよりもPoCの出来はビジネスの可能性を考える上でより重要と考えます。出来のいいPoCをビジネスオーナーが見ることは、ビジネス現場での可能性を判断する精度を高めることができると思います。
世の中にいろいろなデバイスやAPIがあふれる中、それらをマッシュアップさせすてきなPoCをつくれる人材は、現在の現場で求められる人材といえます。
今回のコンテストは9回目の開催で、次回は記念すべき10回目となります。またすてきな作品とプレゼンテーションが出てくることを期待しています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.