化学分析装置などを提供するアジレント・テクノロジーは2018年12月5日、東京都内で記者向け説明会を開催し、2017年に改訂したISO/IEC 17025:2017の変更内容や、ISO/IEC 17025の準拠にあたり重要な「データインテグリティ」について解説を行った。
化学分析装置などを提供するアジレント・テクノロジーは2018年12月5日、東京都内で記者向け説明会を開催。同社で市場開発グループ ラボインフォマティクス担当を務める西山大介氏が、2017年に改訂したISO/IEC 17025:2017の変更内容や、ISO/IEC 17025の準拠にあたり重要な「データインテグリティ」について解説を行った。
ISO/IEC 17025は、ISO 9001を基として、試験所や校正機関が正確な測定、校正結果を生み出す能力があるかを認定する国際規格。同規格の認定を受けることにより、「製品管理や品質管理などを高いレベルで実行できるマネジメント能力、信頼性ある試験や校正結果を提供できる機関であるとアピールできる」(西山氏)。製造業においても同規格を取得する企業が増えており、同社の一部施設でもISO/IEC 17025を取得しているとする。
ISO/IEC 17025の認定を受けるにあたり、組織構成や人材を含めた経営資源、業務プロセスやマネジメントシステムなど多岐にわたる要求事項を満たす必要がある。また、ISO 9001と同様に定期的な更新審査が設けられている。
同規格の最新版となるISO/IEC 17025:2017では、2005年に前回改訂されたISO/IEC 17025:2005から時代の進化に合わせた改訂がなされた。具体的には、規格方針をトップマネジメントより現場サイドに主体を移す方向性としつつも、試験所や校正機関を運営する企業としてのリスク管理やトレーサビリティー、検査妥当性について規定の明確化、厳格化を行っている。また、検査データの管理についても、紙ベースから電子化されたシステムの使用が前提となる規定に変更された。
特にISO/IEC 17025:2017では、検査データを管理する情報マネジメントシステムを対象として詳細かつ厳格に規定が追加されている。同規格で情報マネジメントシステムの要求事項を規定している“7.11.3”項では、「データおよび情報の完全性を確実にする方法で維持されている」ことを満たす必要があると記載されている。西山氏は、この項を満たすためには「データインテグリティ(Data Integrity、データの完全性)対策を行うことが重要だ」と指摘する。
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