JIMTOF 2018 特集
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» 2018年11月19日 06時00分 公開

EVの進化は生産技術に懸かっている、「車体重量半減」「全固体電池の量産」電気自動車(2/2 ページ)

[齊藤由希,MONOist]
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EVに必要なのは、従来の半分に軽量化すること

 電動車に必要となる車体の軽量化について、坂本氏は「従来の半分の重さにしたい」と述べた。そのためには軽量化材料を多用する必要がある。鉄のクルマに対し、アルミニウムを全面的に採用すると25〜30%、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)を全体に使ってようやく半分近くまで軽量化できるという。しかし、「CFRPは、量産車としては許容できるコストではない。そのためにはそれぞれの素材の良さを生かしながら、組み合わせて使いこなしたい」(坂本氏)。同氏は軽量化がどんなクルマにも必要になると強調した。環境規制の強化に伴い、鉄だけでクルマを作る時代は2020年代にも限界を迎えるという。アルミニウムと鉄の併用だけでは限界があり、CFRPを使う必要性が高まると見込む。

 鉄よりもコストが高い素材を量産車でより多く使うには、部品点数を減らしてコストを成立させることが1つのアプローチになる。「エクストレイルのバックドアを樹脂化した時には、これまで11個の部品を溶接していたのを、成型性のよさを生かして2つの部品にした。こういうことをますますやれるようにならなければならない」(坂本氏)。また、従来は部品を足していた防振や制震、吸音といった機能を、設計や構造の工夫で実現できれば部品点数の削減につながると説明した。

 異なる素材同士を接合する技術も「これが一番というものは他社を調べても見えてこない」(坂本氏)。現状でも接着剤、リベット留めなど機械締結、摩擦による接合などさまざまな手法があるが、接着剤は経年劣化に対する耐久性が、リベット留めは生産設備や重量増、外観を損ねるなどの課題がある。

 CFRPは、樹脂含浸成形(RTM)やオートクレーブ、プリプレグ、シートモールディングコンパウンドなどのさまざまな工法があるが、量産車で使うにはいずれも一長一短なのが現状だという。RTMは並べた炭素繊維に樹脂を射出するが、繊維が動かないようコントロールすることが難しい。少量生産向けのオートクレーブよりも生産性が優れるが、量産には及ばないという。シートモールディングコンパウンドは、生産性が高いが強度に課題がある。

 また、樹脂の流れ方によっては成形した部品の端の強度が保てず、大きめに作って余分な部分をカットするような作業も発生しうる。「カットするといってもどう切るのか、CFRP全般の課題だ。少量生産なら問題なくても、量産となると厳しいことが多い。リサイクルやリユースを考えることも不可欠だ」(坂本氏)。

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