三菱重工航空エンジンがIoTデータ分析統一プラットフォームを導入:製造IT導入事例
SAS Institute Japanは、三菱重工航空エンジンが、AI技術を活用したSASのIoTデータアナリティクスプラットフォームを導入したと発表した。一連の分析プロセスを単一のプラットフォームで実行し、業務の効率化・可視化に貢献する。
SAS Institute Japan(SAS)は2018年7月10日、三菱重工航空エンジンが、AI(人工知能)技術を活用したSASのIoT(モノのインターネット)データアナリティクスプラットフォームを導入したと発表した。
三菱重工航空エンジンは、民間航空機に搭載されるターボファンエンジンの開発や部品整備・修理などを手掛けている。タービンブレードの需要量増などに対応するため、業務プロセスの効率化・可視化による生産性向上の取り組みを開始。従来の無線識別タグによる個別の生産工程管理に加え、センサーデータと工作機械の設定情報を組み合わせた統合的なデータ分析による品質管理および設備保全の実現を目指した。
今回、SASのグローバルでの多数の実績を評価し、同社のIoTデータアナリティクスプラットフォームを導入。これにより、データ準備や加工、機械学習を活用した高次元のモデルの開発、実行、管理などの一連の分析プロセスを単一のプラットフォームで効率良く実行し、業務プロセスの効率化、可視化を進められるようになった。
具体的には、タービンブレードの溶接工程における品質予測モデルと、モデル開発のためのAIおよび機械学習機能アルゴリズムを組み入れた。これにより、予測精度と安定性が向上。従来よりも短期間でモデル作成ができ、各パーツをモニタリング判定することで、不良品発生を低減可能になった。
また、燃焼器ケースの切削加工時の刃の欠損の予兆検知もでき、ダウンタイムの低減にもつながった。さらに、センサーデータ分析を含む分析業務を内製化することで、リードタイムの短縮が見込めるという。
- 故障予知は前提、“真の予兆保全”を実現するために必要になるもの
2017年はIoTやAI技術の進展により、大型機械や設備の故障予知や予兆保全への取り組みが加速した1年となった。2018年は故障予知などを前提とした、センシングやデータ管理などが進み、予兆保全に関する各種製品開発やソリューションが数多く登場する見込みだ。
- 製造業のサービス化、予兆保全は単なる「はじめの一歩」
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。しかし、そこで語られることは抽象的で、いまいちピンと来ません。本連載では、そうした疑問を解消するため、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて分かりやすくお伝えするつもりです。第7回は、前回に引き続き「製造業のサービス化」についてご紹介します。
- 計画保全と品質保全で工程の信頼性と保全性を目指す
本連載「いまさら聞けないTPM」では、TPM(Total Productive Maintenance)とは何か、そして実際に成果を得るためにどういうことに取り組めばいいかという点を解説する。第4回となる今回は、「TPMの8つの活動(8本柱)」のうち計画保全と品質保全について紹介する。
- 全員参加の生産保全、TPMとは何か?
本連載「いまさら聞けないTPM」では、TPMとは何か、そして実際に成果を得るためにどういうことに取り組めばいいかという点を解説していく。第1回となる今回は、まず「TPMとは何か」について紹介する。
- 品質保証の体制をIoTでカイゼンする
日本型モノづくりの象徴ともいうべき「トヨタ生産方式」。本連載では多くの製造業が取り入れるトヨタ生産方式の利点を生かしつつ、IoTを活用してモノづくりを強化するポイントについて解説していきます。第3回となる今回は、品質保証体制へのIoT活用のポイントについて紹介します。
- 品質管理に必須の統計的手法「X-R管理図」「P管理図」の作り方
生産現場の品質管理に使われる「X-R管理図」「P管理図」は、実際にはどうやって作ればいい? サンプルを基に手を動かして覚えよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.