バラツキを考え、確率統計学的に公差を考えるということから、公差計算方式の互換性の方法、不完全互換性の方法という計算方法について話をしました。では、実際にその計算の例をあげてみることにしましょう。
このような部品を組み立てた場合、組立後の総厚45[mm]に対する公差値はどうなるのでしょうか。互換性の方法、不完全互換性の方法で公差計算を行います。
それぞれの部品の厚み方向の寸法は図に示すようになります。
A:20±0.2[mm]、B:15±0.2[mm]、C:10±0.2[mm]
このように、互換性の方法、不完全互換性の方法から、既知の公差値を持つ部品の組立後の組立完成品の公差や、組立完成後の公差によって管理すべき寸法値を達成するため、まだ設定していない部品への公差値をどのようにするかを計算可能です。
詳細設計を行う場面では、後者は設計者が考えるべき設計の一部です。計算結果のように、不完全互換性の方法によって求められた公差値は、互換性の方法に対して、1.73(√3)倍です。この公差をどう考えるべきでしょうか。
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