IoT機器の個体認証を低コストで容易にするPUF技術を開発IoTセキュリティ

東芝は、ロボットやIoT機器間の相互認証が低コストで実現できるセキュリティ技術を発表した。半導体チップのばらつきをIDとして使うPUFを、FPGAなどの頻繁に書き換えられる回路へ容易に実装できる。

» 2018年07月06日 08時00分 公開
[MONOist]

 東芝は2018年6月14日、ロボットやIoT(モノのインターネット)機器間の相互認証が低コストで実現できるセキュリティ技術を開発したと発表した。半導体チップのばらつきをチップ指紋(ID)として使う物理困難関数(PUF)を、出荷後でも回路の書き換えが可能な集積回路FPGAに容易に実装できる技術だ。

 PUFは暗号認証を可能にするセキュリティ技術だ。今回新たに開発されたのが、発振回路の初期出力波形をIDとして採用するPUF。回路の対称性などの制約がなく、FPGAなどの頻繁に書き換えられる回路へも容易に実装でき、さらにIDを発生させるために回路に電流を流し続ける必要がないため、従来の方式より低消費電力化できる。

photo 従来型と開発したリング発振器型PUFの比較 出典:東芝

 本技術の採用によりIoT機器間の個体認証だけでなく、デバイスの複製・偽造防止などのセキュリティが容易に確立できるようになる。

 本技術を搭載した自走ロボットによるデモにおいて、PUFを実装したFPGAが搭載された親機と子機2台(真・偽)を用意し、それぞれIDを発信させる実証実験を行った。事前にIDが親機に登録されている子機のみ認証され、親機のLEDが光るという仕組みで、機器間の相互認証が可能であることを確認した。

photo デモの構成 出典:東芝
photo PUFロボットによるデモの様子 出典:東芝

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