Armは、物理的な攻撃からIoTデバイスを保護する最新プロセッサIP「Arm Cortex-M35P」を発表した。改ざん対策技術を採用し、堅牢なソフトウェア隔離を可能にする。
Armは2018年5月2日(現地時間)、物理的な攻撃からIoT(モノのインターネット)デバイスを保護するプロセッサIP「Arm Cortex-M35P」を発表した。同社の「Platform Security Architecture(PSA)」の理念を踏襲し、「Cortex-M」シリーズでは初めて、「Arm SecurCore」プロセッサで実績のある改ざん対策技術を採用した。
この改ざん対策技術により、チップの実装レベルで脆弱(ぜいじゃく)性を悪用する物理的な攻撃からチップを保護する。特に、暗号演算中のチップの消費電力や、電磁場の解析を含むサイドチャンネル攻撃による改ざんを阻止する。
同社のセキュリティ技術「Arm TrustZone」技術を搭載し、堅牢なソフトウェアの隔離を可能にした。さまざまなデバイス設計において、決済や通信の認証を取得した多層型のセキュリティを容易に組み込むことができる。車載向けにセーフティパッケージも用意し、ISO 26262認証にも対応できる。
また併せて、セキュリティIPに物理的保護を追加した「Arm CryptoCell-312P」「Arm CryptoIsland-300P」も発表した。一連のサイドチャネル攻撃の保護技術に対応する。
今後、物理的な攻撃からの保護に対応した同社のセキュアIPには、物理的なセキュリティを意味する「P」が末尾に付けられる。
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