ソフトウェアクレイドルはエレクトロニクスの要素技術展示会「TECHNO-FRONTIER 2018」内の「熱設計・対策技術展」で同社の「STREAM」「熱設計PAC」など熱流体製品群を展示。今回は創業当初から得意としてきた熱流体解析メインの展示となった。年間19万8000円で使える2次元基板専用熱解析ツール「PICLS」の注目度が高かったという。
ソフトウェアクレイドル(クレイドル)は2018年4月18〜20日に幕張メッセで開催したエレクトロニクスの要素技術展示会「TECHNO-FRONTIER 2018(テクノフロンティア2018)」内の「熱設計・対策技術展」会場で、同社の「STREAM」「熱設計PAC」など熱流体製品群を展示した。
STREAMは直交格子を用いた熱流体解析ツールで、熱設計PACは電子機器筐体や放熱部品に特化した熱流体解析ツールである。両製品では、IDF3.0やガーバーデータ(RS-274およびRS-274X)の取り込みに対応している。基板の断面構成を意識しながら、配線パターンやサーマルビアを考慮した熱解析が行える。結果表示ツール「HeatPathVies」は、放熱バランスと放熱経路の探索ができ、放熱経路などの可視化やグラフ表示もできる。
2015年6月から提供開始した2次元基板専用熱解析ツール「PICLS」(ピクルス)は来場者の注目度が高かったという。低コストかつ簡単な操作で、かつリアルタイムに、設計者自身が熱解析を実施できる。STREAM、熱設計PACにもシームレスにデータが渡せる。ライセンス価格は年間で19万8000円で、機能を限定した無償版「PICLS Lite」も備える。最新版のバージョン2.0では作成した部品をライブラリに登録・再利用が可能になり、IDFやガーバーのインタフェースも備える。
なおSTREAM、熱設計PAC、scFLOW、SCRYU/Tetraの次期バージョンのV14は2018年5月中に発表となる予定で、同時期開催の自社セミナーで新機能を披露する。ただしPICLSはこのタイミングでのバージョンアップはない。
2016年12月から有限要素法ツール大手の米エムエスシーソフトウェア(MSC)の傘下となったクレイドルだが、以前と変わらず独立した組織となっている。製品については、MSC製品とのシナジーが少しずつ増えてきている。今回の展示ではクレイドルが創業当初から得意としてきた熱流体解析メインの展示であったためMSC色はほとんど出していなかったが、2018年4月の国際海事展「Sea Japan 2018」の展示では流体騒音関連で展示し、MSCの「Actran」などとのシナジーによる製品をアピールした。
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