組み込みOSのAPI、TRON系がシェア約60%――22年連続トップ : 組み込み開発ニュース
トロンフォーラムは「2017年度組み込みシステムにおけるリアルタイムOSの利用動向に関するアンケート調査報告書」を会員に公開した。システムに組み込んだOSのAPIでは、TRON系がシェア約60%を占め、22年連続トップとなった。
TRONプロジェクトの推進母体であるトロンフォーラムは2018年4月3日、「2017年度組み込みシステムにおけるリアルタイムOSの利用動向に関するアンケート調査報告書」を会員に公開した。アンケート結果の全文は同月中旬から法人向けに一般発売される。価格は購入部署限定版が10万円、購入法人限定版が20万円(いずれも税別)。
同調査は、トロンフォーラムが定点観測的に実施しているものだ。22回目となる今回の調査は、2017年11月15〜17日までパシフィコ横浜で開催された「Embedded Technology2017」の会場および特設Webサイトで実施、100人から有効回答を得た。
調査報告概要によると、システムに組み込んだOSのAPIでは、ITRON仕様API(μITRON仕様APIなどを含む)がシェア32%で、T-Kernel仕様APIやμT-Kernel仕様APIを合わせるとTRON系が約60%を占めた。TRON系OSの利用実績トップは22年連続となる。TRON系以外では、POSIXまたはUNIX系APIが17%、Win32APIが8%などとなっている。
システムに組み込んだOSのAPI(2017年、OS不使用を含まず)(クリックで拡大) 出典:トロンフォーラム
また、アプリケーション分野別組み込みOSのAPIでは、最近開発した組み込みシステムとしてはIoT(モノのインターネット)関連機器が最も多く、さらにそのIoT関連機器では、TRON系OSが伸びていることが分かった。
IoTは本物か?:坂村健×SEC所長松本隆明(前編)
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IoTは本物か?:坂村健×SEC所長松本隆明(後編)
情報処理推進機構 ソフトウェア高信頼化センター(IPA/SEC)所長の松本隆明氏が、ソフトウェア分野のキーパーソンと対談する「所長対談」。前編に続き、30年以上前からIoT時代の到来を予見してユビキタス・コンピューティングを提唱してきた東京大学の坂村健氏に、IoTの今後の方向性や可能性について聞いた。
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