国立がん研究センターは、NHKエンジニアリングシステムら3社と協力し、大腸がん患者を対象とした8K新腹腔鏡システムの臨床試験を開始した。2017年度は2例、2018年度は20数例に増やして検証を進めていく。
国立がん研究センターは2018年3月14日、NHKエンジニアリングシステム、オリンパス、NTTデータ経営研究所と共同で、大腸がん患者を対象に8Kスーパーハイビジョン技術(8K技術)を用いた腹腔鏡手術システムの臨床試験を開始したと発表した。同技術は、日本医療研究開発機構「8K等高精細映像データ利活用研究事業」の支援によって開発した。
8K映像は、ハイビジョンの16倍という3300万画素の超高精細画像で、その密度は人間の網膜に迫るともいわれる。同プロジェクトは、8K技術を活用した新腹腔鏡手術システムの開発・実用化と普及を目指し、2016年度より開始された。
2017年度には、新腹腔鏡手術システムの試作品「8K硬性内視鏡手術システム」が完成。動物実験や医療機器安全性検査などにより性能を検証した結果、解像度や色再現性、実物感など、8K映像の性能を十分発揮できることを確認した。また、医療機器としての安全性についても、一定レベルで確保できることが分かった。
8K技術を医療応用し、ヒトを対象とした臨床試験を行うのは世界初になるという。今後、2017年度は2例、2018年度は20数例に増やして検証を進めていく。
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