今ここにない製造業の将来像、「IVI未来プロジェクト」が目指す4つの革新 : IVI公開シンポジウム2018春(2) (3/3 ページ)
「コンビニ型ファクトリー」は消費者の本当に望むものだけを消費者のそばで作るというコンセプトで、コンビニのように身近な環境にデジタルファブリケーションなどを駆使した工場を設置することで、欲しいものをすぐに届けられる仕組みを目指す。消費者の困りごとをSNSなどで吸い上げ、解決に向けたマッチングを行い、解決するモノの製造までを一貫して提供していく考えだ。
「コンビニ型ファクトリー」の仕組み(クリックで拡大)出典:IVI
2018年度は事業性の検証や技術開発を行い、2019年度にはビジネスモデル確立を目指し実証店舗を首都圏などで稼働させる計画。2020年度にサービス開始を目指すとしている。
「コンビニ型ファクトリー」の事業計画(クリックで拡大)出典:IVI
「SMU連携ステーション」はサプライチェーンにおいて非競争領域におけるコストが負担となる中で、これらを改善することを目指した仕組みだ。サプライチェーン上に高度なトレーサビリティーを実現する共通基盤を作り、企業間連携のステーション事業者に提供。モノにひも付いたデータと価値がステーションを介して流通することで、各企業がそれぞれ独自に負担していた物流関連コストを削減しようというものである。セキュリティ面はブロックチェーンを活用することで情報漏えいを防ぐ。
「SMU(スマートマニュファクチャリングユニット)」はIVIが参照モデル「IVRA(Industrial Value Chain Reference Architecture)」で定義した1つの製造業の基本単位である※) 。
※)関連記事:「つながる工場」のデータ連携も視野に、IVIが新たな実践戦略を披露
「SMU連携ステーション」の仕組み(クリックで拡大)出典:IVI
ビジネスモデルとしては、基盤サービスの利用料を収入としたステーション事業支援を想定する。プラットフォーム間連携なども実現し、検品作業の結果が源流の部品メーカーまで自動でフィードバックできるような仕組みを想定する。
「SMU連携ステーション」の商品およびサービス構成(クリックで拡大)出典:IVI
事業化に向けては、2018年度はビジネスモデル構築とIVRAプロファイルを用いたコア技術検証を推進。2019年度にプロトタイプ基盤を構築し、連携ステーションの実証実験を開始する。2020年度には国内での有償実証実験を開始するとともにコンソーシアム発足を計画している。
製造業革新に必要な“リアルなデジタル”の生かし方
IVIは、2017年度の取り組みの進捗状況と2018年度の方向性について紹介する「IVI公開シンポジウム2018-Spring-」を開催。新たに発表したモノづくり実践戦略「IVRA-Next」や、未来プロジェクトの状況などを紹介した。
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「つながる工場」のデータ連携も視野に、IVIが新たな実践戦略を披露
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IVIが「スマート工場モデル」を公開、先行する独米に対し“日本式”を提案
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なぜIVIは新たなスマート工場モデルを打ち出すのか
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スマートファクトリーがいよいよ現実解へ、期待される「見える化」の先
ドイツのインダストリー4.0がきっかけとなり関心が高まった、IoTを活用したスマートファクトリー化への動きだが、2017年は現実的成果が期待される1年となりそうだ。既に多くの実証成果が発表されているが、2017年は、実導入ベースでの成功事例が生まれることが期待される。
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