IVIは、2017年度の取り組みの進捗状況と2018年度の方向性について紹介する「IVI公開シンポジウム2018-Spring-」を開催。本稿では2017年度新しく開始した「IVI未来プロジェクト」の4つのプロジェクトについて紹介する。
「つながる工場」実現に向け、製造業、製造機械メーカー、ITベンダーなどが参加する「Industrial Value Chain Initiative(IVI)」は、2018年3月8〜9日に都内で「IVI公開シンポジウム2018-Spring-」を開催。第1回では理事長の法政大学デザイン工学部 教授の西岡靖之氏の講演内容を紹介したが、第2回では2017年度に新しく取り組みを開始した「IVI未来プロジェクト」の4つのプロジェクトについて紹介する。
「IVI未来プロジェクト」は2017年度から開始した新たな取り組みだ。2017年1月10〜31日にIVI内で意見募集を行い、25社から30人が参加。知能化、サービス化、デバイス化、サイバー化という4つの軸を基に製造業に求められる革新を模索した※)。
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「今できない」を必須条件とした他、「複数企業が協力して行うもの」「日本やIVIの強みが発揮できること」「夢があること」「10人の内9人は反対しそうなこと」「10億円の投資で1000億円の経済効果があること」などの条件を基に「81枚のテクノロジーシートを作って結合し、60個のユースケースを作った。そのうえで、これらを統合し新たな価値を実現する4つのイノベーションの形にまとめた」とIVI未来プロジェクトの副委員長を務める槇原正氏(パナソニック)は述べる。
2017年5月のキックオフ後、初年度をフェーズ1と位置付け、事業計画書と開発仕様書の策定を推進。ベンチャーキャピタルの評価を受けるところまでを行った。2018年度はさらに国家プロジェクトへの応募やパイロットプロジェクトの開始、要素技術の整備などに取り組む。さらに2019年度は事業計画やビジネスモデル設計を行い、投資家からの出資も募って実ビジネスを始めるという計画である。
具体的に選定した4つのプロジェクトは以下の4つである。
次からは具体的にこれらの4つのプロジェクト内容を見ていく。これらのプロジェクトは市場規模や売り上げ目標、売価など具体的な項目が定められているが、実際の事業化はこれからの話で、事業前準備の段階である点をあらためて強調しておきたい。
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