IoTとともに注力しているのが組み込みAIだ。今井氏は「エッジコンピューティングの流れが加速しており、ハイエンドスマートフォンSoCの処理能力はインテルの『Core i3』をはるかに上回っている。IoTの普及とともに、ありとあらゆるところで機械学習やディープラーニングを基にしたAIアルゴリズムが動作するようになるだろう」と強調する。
サンダーソフトはクアルコムとの提携により「Snapdragon」の組み込みAI技術「NPE(Neural Processing Engine)」の活用を進めるなどしている。「機械学習やディープラーニング関連の技術はこれからますます進化する。今は『これが本命』というような判断を軽々にできる時期ではない。それでも、エッジデバイスでAIアルゴリズムを実行するという需要は確実に拡大する」(今井氏)という。
サンダーソフトは、さまざまな用途のAIアルゴリズムをラインアップして顧客に提供している。顔認識、物体認識、容積認識、食べ物認識、アダプティブフィルターなどだ。これらは標準品として提供しているもので、顧客ごとのカスタマイズは、機械学習フレームワークに追加でデータを入力して学習させることで完成させることになる。
AIアルゴリズムの開発で大きな課題になっているのが、データの作成と準備だ。このプロセスを自動化しようという取り組みもあるが、現時点では人間が手作業で行うのが主流だ。サンダーソフトは、IT関連の投資が進む四川省の重慶に専門チームを立ち上げており、顧客からの要望に対応していく考えだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.