中国のサンダーソフトが、市場が拡大しつつあるIoTと組み込みAI関連の事業展開を拡大している。LPWAネットワークの1つであるNB-IoTに対応する通信モジュールやソフトウェアをパッケージにしたプラットフォームの提案を検討している。組み込みAIについても、データの作成や準備などを行う専門チームを立ち上げて需要を捉える構えだ。
中国のサンダーソフト(Thundersoft)が、市場が拡大しつつあるIoT(モノのインターネット)と組み込みAI(人工知能)関連の事業展開を拡大している。LPWA(低消費電力広域)ネットワークの1つであるNB(Narrow Band)-IoTに対応する通信モジュールやソフトウェアをパッケージにしたプラットフォームの提案を検討している他、クアルコムのNB-IoT対応モデムSoC「MDM9206」を用いた製品も2018年に投入する計画だ。組み込みAIについても、機械学習やディープラーニングで最も手間が掛かるデータの作成や準備などを行う専門チームを重慶に立ち上げて急速に立ち上がりつつある需要を捉える構えだ。
日本法人であるサンダーソフトジャパン 社長の今井正徳氏は「当社の主力事業は組み込みソフトウェアだが、現在注力しているIoTと組み込みAIの分野ではハードウェアの提供も重要になる。そこで、開発に必要なハードウェアは安価で高品質なものを提供しつつ、中身であるソフトウェアで差別化を図っている」と語る。
IoT関連では、中国国内で試験運用が始まっているNB-IoTプラットフォームの第1弾製品を中国向けに量産販売している。マイコンとNB-IoT/CAT.M1に対応するモデムモジュールを組み合わせたハードウェアがセットになっている。「日本の通信キャリアもCAT.M1は実証実験を始めており、NB-IoTも間もなく始まる段階にある。当社のNB-IoTプラットフォームの日本での販売も検討したい」(今井氏)という。
NB-IoTプラットフォームは第2弾製品の開発も進んでいる。クアルコムのMDM9206を搭載したハードウェアとソフトウェアのパッケージ「TurboX NB-IoT Platform」になる。MDM9206は、NB-IoT/CAT.M1対応モデムにプロセッサとなる「Cortex-A7」を集積したSoCだ。そこに、Armの組み込みOS「Mbed OS」とIoTクラウドサービス「Mbed Cloud」とつなげるための「Mbed Cloud Client」が組み込まれている。
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